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峠に棲む鬼「イラスト分析11」・・・後背位3 [峠]

今回ご紹介するのは「峠に棲む鬼」東スポ版です。
本来であれば、東スポ版に掲載されたすべてのイラストをご紹介したいところなのですが、そうもいきませんので、どれもすばらしい中でも特にこれはお奨めというものをピックアップしてご紹介したいと思います。

本作の中盤における一つのピークは、竹生島での麻紀子救出作戦があげられます。
この作戦は失敗し、真庭は麻紀子を救出することができず、逆にとらえられ、夫婦で倉田たちの奴隷となってしまいます。
麻紀子が素裸で磔刑にされ、竹槍に串刺しされる寸前に処刑は中止され、夫婦揃って倉田たちの前に引き据えられます。
この時点で真庭と麻紀子は揃って素裸にされており、すでに人間扱いではありません。
そして、麻紀子は竹槍で刺し殺される恐怖のあまり、失禁してしまいます。その後、倉田の前に跪き、奴隷になりきることを心から誓うのです。

「麻紀子が磔にされた」イラストを眺めながら、「恐怖に小便が流れ出ていた。」の文章をみると、麻紀子の小便の、地面への落下音が聞こえてくるかのような臨場感があります。
男たちがみている前で失禁したことをもって、西村先生は「麻紀子が屈服し、人間の女であることを放棄した」事を表現したかったのではないかと思います。

排泄行為を他人にみられることは、何にもまして恥ずかしいことです。SMにもそういった行為があります。
主人たちはくつろいでソファーに腰かけ、コーヒーを飲んでいます。
そして談笑し、嗤いながら素裸の麻紀子が失禁した様子を眺めているのです。
寒風の中で、素裸で竹槍に突き刺される恐怖。麻紀子にとり失禁だけですんで幸いだったのは、あまり食事を与えられていなかったからかもしれません。
そして、主人たちはおそらく麻紀子の失禁程度は予想し、談笑していたのではないかと思われます。
つまり、麻紀子が「主人たちの意志によって強制的に排尿させられた」=「人間としての矜恃や誇りを放棄させられた」ことではないかと感じた訳です。

さて、前置きはこのくらいで、今回ご紹介するイラスト2点は、そののちの麻紀子の様子を表したものです(3枚目のイラストは余談にて紹介)。
一枚目は、「第七章 孤島」の第122話で使われているもので、倉田の寝室にいる麻紀子のイラストです。
「麻紀子は素裸だった。
倉田恵治がベッドに腰をかけていた。麻紀子は倉田の股間に入って、倉田の男根を口に含んでいた。
さっきから、そうやって愛撫をさせられていた。」
のところです。

イラストの麻紀子は床に這って尻をこちら側に向けています。
尻のこちら側にいるのが、主人である倉田恵治です。
それまで麻紀子は長い間、倉田の男根を口に含んだり、舐めたり、尻の割れ目や肛門を舐めたりして、懸命に性の奉仕をしていました。
その後、麻紀子は倉田に犯され放心状態になるほど屈服させられるわけですが、命令されたわけでもないのに、性の奉仕の途中で自分から四つん這いになり、凌辱を乞うています。
イラストに描かれている状態はまさにこの「麻紀子が、床に手足をついて這った。」瞬間を表しているものと思われます。

倉田の命令ではなく、麻紀子が自主的に尻を差し出したわけですが、それ以前から
「麻紀子は従順に倉田に仕えていた。倉田が尻を向けると、ためらわず、そこを舐めた。」
とあることから、この時点では麻紀子は「精神的に」倉田に屈服し(上述の竹槍の恐怖で)、性の奴隷になりきっていた「奥深い」イラストであるといえます。
それは、
①男根を入れられた瞬間に声を洩らしていることや、
②「いずれは殺されるのであろうが、それまでは尽くすしかなかった。」と、いまだけでなく「これからも死ぬまでずっと倉田の奴隷として性に尽くすこと」を、犯されながら考えていること。
そして、
③倉田に命令されると、その命令通りに泣きながら絶頂に達していることなどが、その証拠となっています。

倉田が愛撫も何もしてないにもかかわらず、男根を入れられた瞬間に声を洩らすほどですから、麻紀子は口腔性交の最中から相当濡れていたものと思われます。
ちなみに、麻紀子が元々濡れやすい体質なのは、真庭と初めてセックスした場面でも描かれています。

麻紀子は男根を舐めながら倉田の表情を伺い、倉田の征服感を満足させたことを確認したことでしょう。
すでに精神的な奴隷になりきっていた麻紀子ですから、そのことに疑いを挟む余地はありません。
そして倉田の勃起度合いを確認すると、入れてもらいたくて(喜んで)自分から四つん這いになりました。
性交奴隷ですから、ご主人さまの性に奉仕する(最後には入れて頂く)ことだけが存在理由です。
愛撫もないのに濡れ濡れになっていたわけですから、このときの麻紀子の体は押さえようもなく火照っていたと思われます。

それは倉田恵治の
「みているがいい。いまに、君の妻は、うれし泣きするよ」
という、かつてないほどの(不似合いな)自信満々の台詞と、そのすぐあとの
「自信があるのか、倉田は緩慢な責めをつづけた。」
という行為で証明されているわけです。

そして最後に、倉田は麻紀子の膣に射精します。
「倉田の放出したものが、小さな部屋を埋めた。」の場面です。
人妻である麻紀子が夫の前で、他の男の男根をしゃぶらされ、犯される。いかされ、最後には中出しされる。
中に出された瞬間が、麻紀子が「精神」のみならず「肉体」まで征服され、倉田の真の奴隷になった瞬間であり、「倉田に自ら尻を差し出している(無抵抗な)麻紀子」のイラストは、まさにその象徴であるといえるのではないでしょうか。
Scan10121-1.jpg

「自分は奴隷ですらなく家畜である」と、麻紀子自身が考えている記述があります。
実際、大型の家畜には焼き印を捺すことがあります。
本作のスピンオフとも言うべき「妖しの花 乱れにぞ」にも、麻紀子の娘「紀魅」がアマゾネスに乳房に焼き印を捺される記載があります。
その意味では、「倉田が射精した瞬間」が「麻紀子に家畜としての焼き印を捺した」瞬間ともいえるでしょう。

余談ですが、このあとさらに、倉田は真庭におのれの男根を舐めさせています。
精液と愛液(汚物という表現を使っています)を舐めとらせ、清めさせているのです。
その上で、男根を喉まで差し込み、小便を飲ませています。
最後のトドメには、麻紀子の性器に溜まった精液まで、舐めとらせています。
性器の周辺や太股には先ほどの失禁でこびりついたままの小便もあったことでしょうから、汚物という表現からも推測できますが、おそらく相当な悪臭だったと思います。

麻紀子を真の奴隷として支配した倉田ですが、自分の惚れていた女をおのれの妻と宣言した真庭相手には「これでもか」とダメを押している感じです(拳銃で腕を撃たれてもいますしね)。
「喉の奥まで差し込まれて」や「男根は垂れていた。」等の表現から判断すると、倉田の男根はなかなかの尤物ではないかと思われます。
それを自慢するかのように、「おのれの男根で屈服させた奴隷女の夫」である真庭に見せびらかし、虐待の道具として使っているのです。

嫉妬心とともに、倉田のサディストとしての真骨頂がこのダメ押しに現れているのを感じました。
そのときのイラストがこちらになります。
「いった」あとの脱力状態の麻紀子を表しており、「絶望感」、「無力感」、「屈服」が非常によくわかる渾身のイラストです。
Scan10125-1.jpg

さて、もう一枚ご紹介する後背位イラストが「後背位で倉田に犯されている麻紀子」です。
本イラストは「第七章 孤島」の第123話で使われているものです。
イラストでは裸の倉田が読者に背を向け、わずかに下を向いています。
そしてその視線の先にいるのが麻紀子です。
麻紀子は素裸で倉田の前に這っており、倉田に向けられた尻が高く掲げられています。

実際、123話は「倉田と新納が言い争っている」場面なのですが、ここでは122話の余韻が後を引いているかのように、倉田に後背位で犯される麻紀子」のイラストとなっています。
倉田は新納と口論になるのですが、彼の脳裏にはさっきまで弄んでいた麻紀子の裸身が走馬燈のようによぎっていたのではないでしょうか。

倉田は麻紀子に惚れていたわけですし、正式に入籍したわけではないにも関わらず麻紀子と夫婦を名乗っている真庭の前で麻紀子を犯し、おのれの男根で泣き声を出させ、いかせて、さんざんに屈服させたわけですから、サディストである倉田がそのときの余韻に浸り、思い出していても何ら不思議ではありません。

この3点の入魂のイラストを見ると、「西村・安岡」両先生にもこの場面が本作のピークの一つだと考えられたのではないかと、個人的には考える次第です。
Scan10122-1.jpg
★著者:安岡旦
★販売元:東京スポーツ新聞社
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
★画像使用に対し、原権利者からの削除指示がある場合は即座に削除します。
★掲載画像の再利用(複製・転載・プリント)は固くお断りします。

峠に棲む鬼〈上〉 (1978年) (西村寿行選集)

峠に棲む鬼〈上〉 (1978年) (西村寿行選集)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1978/03
  • メディア: -



峠に棲む鬼〈下〉 (1978年) (西村寿行選集)

峠に棲む鬼〈下〉 (1978年) (西村寿行選集)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1978/03
  • メディア: -


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峠に棲む鬼「イラスト分析10」・・・後背位2 [峠]

今回ご紹介するのは「峠に棲む鬼」東スポ版です。
西村先生が「峠に棲む鬼」を東京スポーツ紙に連載していたのは昭和52年5月4日(水)から昭和53年1月29日(日)までの計232回になります。
イラストはご存じ、安岡旦先生。
西村先生がセックスの体位で基本と考えるのが「後背位」ですが、今回より数回にわたり、峠に棲む鬼で使用された後背位イラストをご紹介をしたいと思います。

まず、はじめは「第2章鬼との対決」34話になります。
中垣明率いる「誘拐組織」にとらえられた逢魔麻紀子救出を試みた真庭が、逆にとらえられ、誘拐組織のアジトに連行された場面です。
そこで麻紀子はすでに、中垣以下、数人の男に凌辱されていたのでした。
男たちは交替で、麻紀子を犯します。

「男たちは一様に麻紀子の体をなで回して感触を愉しみ、そのつぎはさまざまな姿体をとらせて、愉しんだ。性交までには時間をかけた。あらゆる交わりかたをした。口腔性交を命じる者もあれば、肛門性交を命じる者もあった。前から、後ろから、自在に突き通した。」
との記載にもあるとおり、麻紀子は「穴という穴」を男たちに犯されていたのでした。
そして、真庭が連れ込まれても男たちは麻紀子への凌辱をやめません。逆に、真庭の目の前で麻紀子は後背位で犯され、男がはてるまでをみせつけられます。
イラストはそのときの場面です。

麻紀子はそのときは全裸なのですが、イラストは上半身を描いています。
布団に転がされた麻紀子が布団に半身になって貌をのけぞらせています。
乳房が出ていることでも、後ろ手に縛られているのがわかります。
乳房は大きいのですが、体を鍛えていることもあり、垂れておらず、美しいお椀型をしています。
乳房、乳首、乳輪と非常にバランスが取れて美しく、どれも個人的に非常に好きなタイプです(笑)。
のけぞらせた喉の右側に貌があり(麻紀子は頭を右に、足を左にして、布団に寝かせられている)、長い黒髪が貌の下でグシャグシャになっている様子がわかります。
このとき、麻紀子は口を開けています。

これは後にわかるのですが、麻紀子は非常に我慢強い女です。
西独に拉致され、素裸で鞭打たれた際も、悲鳴を上げませんでした。
このようなケースで口を開ける場合、声を出しているか、荒い呼吸をしているか、いずれかが該当すると思われますが、下記に記述した理由により、このイラストは「真庭の目の前で犯されている麻紀子」を描いたものでは無いと考えられます。

それは真庭の目の前の麻紀子は「仰向けで男に愛撫されている」状態だからです。
その記載は34話の2カ所に出てきます。
推測するにこのイラストは、麻紀子の回想に出てくる「数時間前の麻紀子」を描いたものではないでしょうか。
そのとき麻紀子は肛門性交をされています。
このときの麻紀子はまだ男たちの凌辱に目覚めていない段階ですし、「感じて声を出しているのではない」と思われます。

鞭で殴打されても声を出さないほど我慢強い麻紀子が思わず声を放ってしまうことがあるとすれば、それは(おそらく初めての)肛門性交による激痛ではないでしょうか。
その根拠に、麻紀子は体をねじるような仕草で描かれており、肛門性交の激痛から思わず体をねじり、声を出してしまった場面と考えられそうです。

本文中でも、
「麻紀子は心を閉じていた。心を閉じると、肛門を犯されるときの仰天するような激痛さえも、わずかだが痛みを和らげることができた。歯を喰いしばって、無になろうと心を集中させていた。」
と記載されています。
翌日の35話で、麻紀子が後背位で犯される場面がありますが、その場面には別のイラストが用意されていますので、スポーツ紙の一話完結を考えるに、この場面はまさにこれといえそうです。
安岡先生のイラスト、最高です。
Scan10033-1.jpg
★著者:安岡旦
★販売元:東京スポーツ新聞社
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
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峠に棲む鬼〈上〉 (1978年) (西村寿行選集)

峠に棲む鬼〈上〉 (1978年) (西村寿行選集)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1978/03
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峠に棲む鬼〈下〉 (1978年) (西村寿行選集)

峠に棲む鬼〈下〉 (1978年) (西村寿行選集)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1978/03
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去りなんいざ狂人の国を「イラスト分析」・・・全裸12・緊縛(SM12) [去りなんいざ狂人]

今回ご紹介するものは「去りなんいざ狂人の国を」です。
この作品は皆様ご存じの通り、関門国道トンネルや地下鉄丸ノ内線、新宿駅前メトロプロムナードで青酸ガスがばらまかれ、無差別大量殺戮事件が起こり、犯人グループが日本政府に500億円の身代金を要求するというストーリーです。
地下鉄丸ノ内線の事件は、本作発表より10数年後に実際に起きた地下鉄サリン事件が彷彿され、西村先生の先見の明が光っています。

地下鉄サリン事件と本作が決定的に違うのは、サリン事件はオウム真理教が警察の追求を逃れるため(捜査の矛先をかわすため)起こしたものであるのに対し、本作は身代金を取るただそのためだけ(取った身代金でユートピアを建設する)に起こしたものであるという点です。
本作の犯人像も、事件発生当初は当時の世相を反映したもので、過激派・テロリストなどの言葉が使われています。

捜査の過程で明らかになっていくのですが、犯人の一人が六本木のサド・マゾ秘密クラブに関係していることがわかります。
名前は浅羽五郎(偽名)、彼はマゾヒストです。
そこに潜入捜査を命じられた女性捜査官が御坂亜紀、二十八歳。
警察庁刑事局に所属しています。
イラストは御坂亜紀が秘密クラブに潜入した際の、様子を表したものです。

イラストの中で、亜紀は全裸になっています。
その状態で立っているのですが、両手を吊られ、万歳をした格好になっています。
乳房は大きく、豊かな乳房は若さのせいで張って、乳首が上を向いています。
表情ははっきりとはわかりませんが、口を半開きにし、苦悶を浮かべているようにも、声を放っているようにも見受けられます。
引き締まったウエストから豊かな腰に至る曲線が美しく描かれています。
鞭を打たれているのか、立ったまま愛撫を受けている状態のようです。

作中で亜紀は
「肩と足に竹の棒を縛りつけられている。両手は肩に担がされた竹に縛りつけられて水平に伸びていた。足首も竹に縛りつけられ、両足は極端に拡げられていた。
その姿勢であお向けに寝かされていた。」
「大の字に手足を拡げられ」
「亜紀の泣く声をきいた。みると、亜紀のうえに蹲った男が、電動式の性具を使っていた。」
とありますので、イラストはこのときの様子を表していると思われます。

注目すべきは、亜紀は「男は執拗に脇毛を舐めつづけた。」とあり、イラストでは黒い影のような感じに表現されていますが、若い女性には珍しく脇毛を伸ばしていたようです。
恋人がいたと、夫婦役の鳴島に告白している場面があるので、もしかすると脇毛好きな彼氏の趣味だったのかもしれません。

本イラストにはもう一人の女性が描かれています。
女性は両足を拡げて座り込んでいるように見受けられます。
貌はうなだれ、両手を後ろに回し、乳房が見えていることから、全裸かそれに近い状態で身動きできないように縛られているようです。
この女性も亜紀ではないかと個人的には考えています。
作者は二人の女性を描くことで、亜紀の置かれていた状況(様々な格好で、様々な男から犯された)を表現したかったのではないかと思います。
Scan10004 (59x100).jpg
★著者:金森達
★販売元:徳間書店
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
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去りなんいざ狂人の国を (西村寿行選集 (56))

去りなんいざ狂人の国を (西村寿行選集 (56))

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1983/01
  • メディア: 新書


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風は悽愴「イラスト分析」・・・全裸11 [風は悽愴]

本イラストはカッパ・ノベルス版「風は悽愴」の表紙に使用されているものです。
巨大なオオカミの顔が中心にあり、本作を手に取った読者をじっと見つめています。
大変な迫力です。
その手前には紀州犬が横を向いて立っているのが、小さく描かれています。
作中では、オオカミはゴロ、紀州犬はシロと呼ばれていました。
どちらも強盗犯・疾風の徳造が飼っていた獣です。
物語はゴロを中心に、徳造。徳造の弟分である安と秋。猟師の源蔵。静岡警察署の志乃夫警部などが登場します。

イラストの女性は全裸で、紀州犬と正対して読者に背を向けて描かれています。
余計な脂肪のない、引き締まった背中が印象的です。
女性は狼や紀州犬から顔を背けるように右を向いており、引き締まったウエストから豊かな尻に至るなめらかな曲線が非常に美しく描かれています。

さて、作品のあらましはこうです。
時は大正九年八月。
強盗犯・疾風の徳造は、仲間たちの残虐ぶりに嫌気がさし山中に隠れ住んだ。安と秋は強盗先に女がいれば必ず犯し、抵抗する者は必ず殺されたからだ。
山中で徳造は一匹の仔犬を拾ったが、実はこの仔犬は最後の日本狼だった。
オオカミは成長し、ある日、徳造の許を仲間を求めて去っていった。
その狼を妹の仇と狙う猟師の源蔵。源蔵の手から狼を救おうとする徳造。徳造逮捕に執念を燃やす志乃夫警部。そして徳造の金を狙う、かつての共犯者たち。
一匹の狼を焦点に、赤石山脈から伊吹山地へと、それぞれの執念と命をかけたまんじ巴の追跡劇……。そして、彼らを待つ、凄惨な修羅場が…。
という感じです。

猟師の源蔵は、とある瞬間からゴロを狙うのをやめ、守る立場に変わります。
それはあたかも、西村先生があるときからハンティングを否定した事実とダブルものがあります。
推測ではありますが、西村先生は本作に猟師の源蔵として登場することで、メッセージを発信したかったのではないかと思います。

さてイラストですが、作中には他の西村作品に登場する魅力的な女性ヒロインは登場しません。
本作の主人公はゴロであり、それを取り巻く主なキャラクターも男性ばかりです。
そうした中で、西村先生の代理人である猟師の源蔵と絡みのある女性が「第三章 三つの牙」に登場します。
その女性の名は朱美。
色白の二十九歳になる女性で、未亡人です。
二人が肉体関係を結んだことが縁で、夫を殺したイノシシの敵討ちを源蔵にしてもらうことになります。
この朱美がイラストに登場している女性とも考えられますが、もう一つの考えとして、裸の女性は「銃がなければ無力な人間」を表しているのではないかとも考えています。
安と秋を懲らしめるのもゴロですし、彼ら(人間)はゴロ(狼)には無力です。
ゴロと紀州犬、全裸の女性の大きさの違いが、作中の存在感を表しているのではないかと、作品を読み終えたのちに、改めてイラストを見た時に感じた感想でした。
本イラストも、本作も非常に心に訴えるものがある傑作ですので、まだご覧頂いていない方には絶対のお奨め作品です。
Scan10003 (61x100).jpg
★著者:後藤一之
★販売元:(株)光文社
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
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風は悽愴―長編サスペンス小説 赤石山脈四つの対決と欲望の暴発 (カッパ・ノベルス)

風は悽愴―長編サスペンス小説 赤石山脈四つの対決と欲望の暴発 (カッパ・ノベルス)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1981/04
  • メディア: 新書



風は悽愴―長篇サスペンス小説 (1981年) (カッパ・ノベルス)

風は悽愴―長篇サスペンス小説 (1981年) (カッパ・ノベルス)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1981/04
  • メディア: -



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わが魂、久遠の闇に「イラスト分析」・・・全裸10 [わが魂、久遠の闇に]

本日ご紹介するイラストは「わが魂、久遠の闇に」ノベルズ版の表紙に採用されているイラストになります。
イラストの主は、本作の主人公である出雲広秋の妻、香織です。
香織は神戸生まれの神戸育ち、二十九歳になります。
夫の広秋曰く、六歳の娘がいるとは思えない美しさです。
作中、広秋は「脳裏の闇に妻の白い裸身を思い描いていた。美しい裸身だった。」と妻の裸身を思い描いています。
そして、旅先で知り合った東洋銀行頭取の萩原に理性を失わせ、強姦されてしまったことでも、その美しさは裏付けられます。
作中でも「萩原が出雲香織に目をつけたことは、野上にはわかっていた。そうしたとしてもふしぎではない美しさを、出雲香織は備えていた。」「出雲香織の乱れる様を妄想で描いた。その肢体の妖しさは、男の心をはげしく絞るものがあった。」と香織が宿泊した「ホテル佐渡」のボーイ長である野上の証言もあります。
しかし、この美しい出雲香織は飛行機事故とそれにつづく遭難の折、亡くなってしまいました。
亡くなった直接の原因は事故なのですが、間接的には遭難機に同乗していた乗客に殺されたも同然の亡くなり方でした。
事件のあらましはこうです。
出雲広秋の妻、香織は娘、志津子と二人で佐渡島に旅行に行きます。
その宿泊先であるホテル佐渡で知り合った東洋銀行頭取、萩原の誘いで東京への帰りに萩原が乗るビジネスライナーに娘と同乗します。
そのビジネスライナーが遭難し、その際、志津子は亡くなり、その死体を食料にしようとする萩原たちから娘を守ろうとして、香織も事故死してしまいます。
その妻子の敵を討つべく立ち上がるのが、出雲広秋です。

さてイラストですが、「中州ざざ」先生作となっています。
西村作品には珍しいタッチのイラストですが、その裸身は非常に美しく描かれています。乳房は大きく張っており、両方の乳首がつんと上を向いています。
巨乳なのに全く垂れ下がっていないのが特徴です。
おそらくですが、何らかの理由で、娘 志津子は母乳ではなくミルクで育てられたのでしょう。ひょっとすると、授乳期に夫婦共働きで保育園などに預けられていたのかもしれません。
そして、その下につづくのが、腹筋の浮き出た腹部です。
アスリート顔負けの脂肪のない腹部で、最近ではこれと同じ腹部をみたのは「ビーチバレーの浅尾美和」ぐらいです。
筋肉の割れ目が「腹筋フェチ」には辛抱堪らん構図となっています。
そして次につづくのが、股間と太股です。
陰になっていることもあり、陰毛は描かれていません。
首筋から太股にかけての曲線が非常に美しく描かれており、その白さ(イラストでは青白い)と相まって、背景に描かれている雪山(北アルプス)と非常にマッチしています。
是非一度、本作を手にとって「出雲香織」の美しい裸身をご賞味ください。
Scan10002 (61x100).jpg
★著者:中州ざざ
★販売元:(株)徳間書店
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
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わが魂久遠の闇に

わが魂久遠の闇に

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1989/07
  • メディア: 新書



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風紋の街「イラスト分析」・・・全裸9・自慰 [風紋の街]

本作は昭和六十年(1985年)に角川文庫より刊行されましたが、2000年五月、勁文社より再出版した物です。
エロス表現が非常に多い西村作品の中でも、文庫版ということもあり、本作は非常に珍しい一冊と言ってよいでしょう。
表四の内容紹介にもあるとおり、「色と欲にかられたふたりの(主人公が巻き起こす)天衣無縫な救出作戦」で救い出されるのが、本イラストの女性である「真子」です。
本名「紫野真子」、二十五歳。
「真子ほどの容貌肢体はめったにはいない。絶世の美女」と文章中表現されるほど、真子はいい女です(笑)。

真子は暴力団「飛翔組」大幹部、立野松吉の情婦です。
真子は二十三歳の時に松吉に強姦されて、女にされました。
新宿のデパートに勤めていた真子は、自分の職場であるネクタイ売り場で立野に目をつけられたのでした。
それまでに真子は男を知りませんでしたが、松吉の性技は真子を腑抜けにしました。
松吉は男根に真珠を四個も植え込んでいるのです。
その上、アンナカを混入させた覚醒剤を射たれて、真子は松吉との性交に溺れました。
覚醒剤の運び屋をさせられたのちに、真子は群馬県嬬恋村の山荘に幽閉されました。
万座川上流の、千坪の敷地に建てられた七十坪ほどのコテージにです。

真子は、本作の主人公である「鉈割瓢(なたわりひさご)」と「斧割糺(おのわりただす)」に救出されますが、本作は全編を通して真子が受けた凌辱を一つのイメージ(自慰)として描いたものと思われます。
本文中に真子が自慰をしている表現が無く、第五章山岳戦で鉈割たちと敵対している暴力団「飛翔組」組長「遠野」の妾「美代」が自慰をしている場面があることは「やや」気になる点ですが、彼女は本作のチョイ役でしかないので、ここはあえて気にしないことにします。

イラストでは、全裸の女性(真子)が横たわり、右の乳房を自分で揉みながら、左手で自分の性器を弄って自慰をしているさまが描かれています。
口を開き目を閉じ、体をのけぞらせている女性の様子から、女性はかなりのクライマックスにあると思われ、ひょっとすると逝っている最中か、逝く寸前を描いているのかもしれません。
イラストの上部(上半身)が暖色系なのは火照った体温を表し、下半身が寒色系なのは自慰で湿った性器を表現しているのではと、個人的には考えています。

その他には、①女性の髪が乱れている(夢中になっているさまを表している?)、②太股まであるストッキングを履いている(色はおそらく白で、ガーターで吊るタイプ)、③乳房が大きい(乳首が勃起している)、④ウエストがくっきりとくびれている、⑤女性はベッドか布団に横たわっている(背景に模様がわずかに見える)などが拝見できます。

いずれにしても、①「全裸で太股を大きく拡げ」、②「肛門と性器を読者に丸見えにしている」構図は、それまでの西村作品の中でもほとんど皆無でもあり、本イラストは非常に貴重なものだと考えられます(これに匹敵するレベルのイラストは、カラーと1色の違いこそありますが、個人的には「徳間ノベルズ 峠に住む鬼 上巻 西村寿行選集」です)。

鼻が高いこと、唇が厚ぼったいセクシーな感じで、真子もなかなかの美人です。
Scan10001 (70x100).jpg
★著者:宇野亜喜良
★販売元:(株)勁文社
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
★画像使用に対し、原権利者からの削除指示がある場合は即座に削除します。
★掲載画像の再利用(複製・転載・プリント)は固くお断りします。

風紋の街 (ケイブンシャ文庫)

風紋の街 (ケイブンシャ文庫)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 勁文社
  • 発売日: 2000/05
  • メディア: 文庫



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世界新動物記 [世界新動物記]

さて、このたびもう一冊入手した珍しい本は、徳間書店発行の「世界新動物記」です。
作家の先生が、動物学者顔負けの知識をもち、それを著作として発表することはあまり聞いたことがないのですが、個々の動物の説明をみると、西村先生の知識の深さには改めて尊敬の念を禁じ得ません。
小説でないにもかかわらず、文章の随所に出てくる「西村節」が光っています(動物記なのにハードボイルド?。ハードロマンではありません。そこだけは間違えないでください(笑))。

今回入手したものは、昭和五十四年発行の第一刷(当時の定価で980円)となります。
内容ですが、アイウエオ順に57種の動物が語られ、その中には「ライオン」「虎」、「象」から、「イルカ」、「クジャク」、「デンキウナギ」など、誰にも知られた有名な動物の生態などがイラストと共に紹介されています。

一般的な動物図鑑と違うのは、あくまで「西村流」動物紹介記で、個々の動物のエピソ-ドを交え、先生の主観で語られている点でしょうか。

例えば、
①アライグマが物を洗うエピソ-ド
②(先生、十八番の)クマに出会ったら死んだふりをしたら良いと言う古典的なエピソ-ド
③日本に野生のトキがいた頃のエピソード
④オオサンショウウオについてのエピソ-ド
⑤いまだったら国際問題になりかねないカメレオンのエピソード(ホントか嘘かわかりませんが)

など、この本が書かれてから30年がたったいま読んでも、新鮮な感じがしました。

所々に出てくる時事ネタ(例えば、当時はエネルギー革命時代だったとか、米ソの冷戦真っ只中だったとか、イギリスの人工授精の話など)もあり、最後まで読者を飽きさせないところは、一流作家の本領発揮といったところでしょうか。
57種の動物のうち、個人的に特に面白かったものは「(ニホン・エゾ)オオカミ」及び「トキ」、「(ニホン)カワウソ」の項です。

巻末には動物豆資料として、「動物スピードくらべ」、「鳥類の産卵数」、「動物の長生きくらべ」などの参考資料も掲載されています。
小説や随筆とはまたひとつちがう味わい。
エロスは皆無です(笑)。
しかしながら、西村ファンであれば、ぜひ一度、ご覧頂いてはいかがでしょうか。
Scan10007 (71x100).jpg
★著者:清水勝
☆デザイン:矢島高光
★販売元:(株)徳間書店
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
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世界新動物記 (1979年)

世界新動物記 (1979年)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1979/02
  • メディア: -



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宴は終わりぬ [宴は終わりぬ]

しばらくぶりの更新です。
先日、珍しい西村作品を2冊入手しましたので、ここでご紹介します。
絶版であるどちらも市場価格が非常に高く、入手は困難とあきらめておりましたが、先日、オークションに出されていたところを発見し、何とか手に入れることができました。
その1冊は「宴は終わりぬ」、もう1冊は「世界新動物記」という本です。
どちらもエロスという点では、全くの無縁です。特に「世界新動物記」などは、まるっきりの動物辞典です。
しかしながら、いずれも希少な故か、あらすじすら紹介されていることが皆無なため、あえてこの場で述べさせて頂く事と致しました。
ご興味のある方は、参考にして頂ければ幸いです。

さて、それではまず、「宴は終わりぬ」からご紹介しましょう。
今回入手したものは、83年発行の第一刷となります。
内容ですが、6つの大テーマの下に、33の随筆形式で描かれています。
本としては「四六ハード版」。
第一刷のためか丁寧にビニールで表も裏も覆われています。
イラストレーターは「西村亜子」氏。
調べたのですが、この方が寿行先生の奥様なのか。娘さんなのか、あるいは全く他人なのかはわかりませんでした。
使われている写真は、寿行先生の日常の様子から、愛用品、思い出の写真や、ふるさとの写真などで、中には「習志野空挺部隊のヘリに乗って満足そうな先生」や、「愛車のゴールデンイーグルを駆って、渓流を疾走する先生」もあります。

随筆の中身ですが、日常生活でみたこと、感じたことを書かれているのですが、一例を挙げれば、「世の中、肚のたつことばかり」というタイトルで、裁判官や、有権者、宗教団体、消防署、銀行、果ては死後の世界に至るまで、滅多切り。
寿行節(ハードボイルド)が貫かれていて爽快でした。
その他には、「寿行先生がお化け嫌いであること(君よ憤怒の河を渉れを書くために、中央アルプスの山ん寺に籠もった時のこと)」、「スキューバーをしていて、蛸に殺されそうになったこと」、「処女作 犬鷲についてのエピソード」、「愛人の話(ホントかわかりませんが)」、「作品 地獄について(死後の世界なんて嘘っぱちだと、延々と述べられていましたが、あるとき寝ていたら奪衣婆に冥界に引きづり込まれそうになったエピソ-ド)」など、あっという間に時間がたつほど、読んでいて面白いものばかりでした。
小説とはひと味ちがう作品で、寿行ファンであれば時間と費用をかけても探してみる価値はあると思います。
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★著者:西村亜子
★販売元:(株)徳間書店
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宴は終わりぬ

宴は終わりぬ

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1983/01
  • メディア: -



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襤褸の詩「イラスト分析」・・・全裸8 [襤褸の詩]

本作は「蘭菊の狐」続編にあたるもので、主人公は「出雲阿紫」という名の少女です。
前作「蘭菊の狐」の阿紫は十五歳の凛々しい美少女です。
そこではあたかも「孤高の宝石」のような存在で、性とは無縁の存在として描かれていました。
それに対して本作の阿紫は十七歳となり、萩生(はぎう)郁子とレズビアンとして描かれています。
「蘭菊」は1981年(光文社)、「襤褸」は1985年(徳間文庫)に刊行されました。
その四年の間に、西村先生の作風が大きく変わった訳ではないでしょうが、阿紫を性の対象に描いたことは、大きな変化であると考えられます。
作中でもその変化を「その頃は火の玉を蔵したただの少女にすぎなかった阿紫のこの急速な変貌ぶりだった。」と自ら書かれています。
とある文献によれば、人の一生の中で、一番性欲が強いとされるのは十代半ばとのことですので、この阿紫の変化は案外普通のことなのかも知れません。

さて今回はその「出雲阿紫」のイラストをご紹介します。
それは「襤褸の詩 徳間文庫 表紙カバー」に登場します。

元警官の源吉、壺振りの三四郎、掏摸の亀造、そして阿紫と夫婦となった郁子、そして阿紫の味方である力自慢である百々木加寿子の六名が本作の主人公です。
本作にはサブキャラとして猿が出てきます。
この猿が、ある男の財布を掏摸したことで、その中にあった機密文章を巡り、西村作品ではおなじみのD機関、X機関とV局などの諜報組織、果てはゴンベなる謎の男が入り乱れての大乱戦となります。

イラストはその際、拉致監禁された「出雲阿紫」のイメージを描いたものと思われます。
イラストでは、全裸の阿紫が立った姿勢から上半身を折り、尻を差し出した格好をとっています。
阿紫の尻は豊かで乳房も豊かに描かれ、若くて美しい女体が描かれています。

「監禁されたのは山荘だった。
阿紫は足枷をはめられていた。短い鎖がついている。
阿紫の仕事は遠山の性欲に仕えることだけであった。
阿紫だけが奪い返された。その足でここに運ばれて遠山の性交奴隷にされたのだった。
遠山がジーパンを下げて尻を弄んでいる。
窓に両手を突いて阿紫はお尻を差し出した。
いっぱいに差し出したお尻に、遠山の責めがはじまった。」
の場面です。
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★著者:木村タカヒロ
★販売元:(株)徳間書店
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襤褸の詩 (徳間文庫)

襤褸の詩 (徳間文庫)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2004/05/02
  • メディア: 文庫



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症候群「イラスト分析」・・・全裸7 [症候群]

4月24日に「文庫版の中で、判明している限り、エロスカラーイラストはこれが最後となります。」と書きましたが、誤りでした。
すみません。
最低でもあと2冊は存在しています。
今回はそのうちの1冊である「症候群」をご紹介します。

これは、「症候群 光文社文庫 表紙カバー」に登場します。

「症候群」はショートストーリーです。
舞台は新潟県の「五頭連峰県立公園」内にある五頭山麗です。
山麗西側にある山荘風の山家に住む老人「朱野広治」と、その下僕「清田才市」が物語の主人公です。
昭和五十六年に事件は起こりました。
その三年前には、北朝鮮工作員による「蓮池薫さん・奥土祐木子さん」拉致事件が現実に起きていますが、本作でもこの「アベック拉致事案」に触れていますし、「症候群」自体が拉致事案をヒントに書かれたものと思われます。
そして、老人朱野は迷い込んできた少年少女(兄妹)を手始めに計四組の「カップル」を拉致し、地下室に設置した強化ガラス製の檻に閉じ込めます。
そして、そこで死ぬまで飼いつづけ、精神破壊の過程を記録しつづけるのです。
イラストはその拉致監禁した男女のイメージを描いたものと思われます。

イラストでは、全裸の女性が横たわり、その乳房に男性の手が伸びているさまが描かれています。
女性の視線はこちら(読者側)をみていますが、意思が弱いとでも言いますか、ぼんやりしているようで、その視線は虚ろです。
男性の手はともに捕らえられたパートナーの男性か、あるいは本事件の首謀者である老人朱野ではないかと思われます。
白人女性の写真を使用しているため、体の一部が映っているだけですが、かなりリアルな印象です。
女性は瞳が大きく、唇が厚ぼったいセクシーな感じで、なかなかの黒髪美人です。
Scan10007.jpg
★著者:亀海昌次
★販売元:(株)光文社
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
★画像使用に対し、原権利者からの削除指示がある場合は即座に削除します。
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症候群 (光文社文庫)

症候群 (光文社文庫)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1987/02
  • メディア: 文庫



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