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世界新動物記 [世界新動物記]

さて、このたびもう一冊入手した珍しい本は、徳間書店発行の「世界新動物記」です。
作家の先生が、動物学者顔負けの知識をもち、それを著作として発表することはあまり聞いたことがないのですが、個々の動物の説明をみると、西村先生の知識の深さには改めて尊敬の念を禁じ得ません。
小説でないにもかかわらず、文章の随所に出てくる「西村節」が光っています(動物記なのにハードボイルド?。ハードロマンではありません。そこだけは間違えないでください(笑))。

今回入手したものは、昭和五十四年発行の第一刷(当時の定価で980円)となります。
内容ですが、アイウエオ順に57種の動物が語られ、その中には「ライオン」「虎」、「象」から、「イルカ」、「クジャク」、「デンキウナギ」など、誰にも知られた有名な動物の生態などがイラストと共に紹介されています。

一般的な動物図鑑と違うのは、あくまで「西村流」動物紹介記で、個々の動物のエピソ-ドを交え、先生の主観で語られている点でしょうか。

例えば、
①アライグマが物を洗うエピソ-ド
②(先生、十八番の)クマに出会ったら死んだふりをしたら良いと言う古典的なエピソ-ド
③日本に野生のトキがいた頃のエピソード
④オオサンショウウオについてのエピソ-ド
⑤いまだったら国際問題になりかねないカメレオンのエピソード(ホントか嘘かわかりませんが)

など、この本が書かれてから30年がたったいま読んでも、新鮮な感じがしました。

所々に出てくる時事ネタ(例えば、当時はエネルギー革命時代だったとか、米ソの冷戦真っ只中だったとか、イギリスの人工授精の話など)もあり、最後まで読者を飽きさせないところは、一流作家の本領発揮といったところでしょうか。
57種の動物のうち、個人的に特に面白かったものは「(ニホン・エゾ)オオカミ」及び「トキ」、「(ニホン)カワウソ」の項です。

巻末には動物豆資料として、「動物スピードくらべ」、「鳥類の産卵数」、「動物の長生きくらべ」などの参考資料も掲載されています。
小説や随筆とはまたひとつちがう味わい。
エロスは皆無です(笑)。
しかしながら、西村ファンであれば、ぜひ一度、ご覧頂いてはいかがでしょうか。
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★著者:清水勝
☆デザイン:矢島高光
★販売元:(株)徳間書店
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
★画像使用に対し、原権利者からの削除指示がある場合は即座に削除します。
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世界新動物記 (1979年)

世界新動物記 (1979年)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1979/02
  • メディア: -



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