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風紋の街「イラスト分析」・・・全裸9・自慰 [風紋の街]

本作は昭和六十年(1985年)に角川文庫より刊行されましたが、2000年五月、勁文社より再出版した物です。
エロス表現が非常に多い西村作品の中でも、文庫版ということもあり、本作は非常に珍しい一冊と言ってよいでしょう。
表四の内容紹介にもあるとおり、「色と欲にかられたふたりの(主人公が巻き起こす)天衣無縫な救出作戦」で救い出されるのが、本イラストの女性である「真子」です。
本名「紫野真子」、二十五歳。
「真子ほどの容貌肢体はめったにはいない。絶世の美女」と文章中表現されるほど、真子はいい女です(笑)。

真子は暴力団「飛翔組」大幹部、立野松吉の情婦です。
真子は二十三歳の時に松吉に強姦されて、女にされました。
新宿のデパートに勤めていた真子は、自分の職場であるネクタイ売り場で立野に目をつけられたのでした。
それまでに真子は男を知りませんでしたが、松吉の性技は真子を腑抜けにしました。
松吉は男根に真珠を四個も植え込んでいるのです。
その上、アンナカを混入させた覚醒剤を射たれて、真子は松吉との性交に溺れました。
覚醒剤の運び屋をさせられたのちに、真子は群馬県嬬恋村の山荘に幽閉されました。
万座川上流の、千坪の敷地に建てられた七十坪ほどのコテージにです。

真子は、本作の主人公である「鉈割瓢(なたわりひさご)」と「斧割糺(おのわりただす)」に救出されますが、本作は全編を通して真子が受けた凌辱を一つのイメージ(自慰)として描いたものと思われます。
本文中に真子が自慰をしている表現が無く、第五章山岳戦で鉈割たちと敵対している暴力団「飛翔組」組長「遠野」の妾「美代」が自慰をしている場面があることは「やや」気になる点ですが、彼女は本作のチョイ役でしかないので、ここはあえて気にしないことにします。

イラストでは、全裸の女性(真子)が横たわり、右の乳房を自分で揉みながら、左手で自分の性器を弄って自慰をしているさまが描かれています。
口を開き目を閉じ、体をのけぞらせている女性の様子から、女性はかなりのクライマックスにあると思われ、ひょっとすると逝っている最中か、逝く寸前を描いているのかもしれません。
イラストの上部(上半身)が暖色系なのは火照った体温を表し、下半身が寒色系なのは自慰で湿った性器を表現しているのではと、個人的には考えています。

その他には、①女性の髪が乱れている(夢中になっているさまを表している?)、②太股まであるストッキングを履いている(色はおそらく白で、ガーターで吊るタイプ)、③乳房が大きい(乳首が勃起している)、④ウエストがくっきりとくびれている、⑤女性はベッドか布団に横たわっている(背景に模様がわずかに見える)などが拝見できます。

いずれにしても、①「全裸で太股を大きく拡げ」、②「肛門と性器を読者に丸見えにしている」構図は、それまでの西村作品の中でもほとんど皆無でもあり、本イラストは非常に貴重なものだと考えられます(これに匹敵するレベルのイラストは、カラーと1色の違いこそありますが、個人的には「徳間ノベルズ 峠に住む鬼 上巻 西村寿行選集」です)。

鼻が高いこと、唇が厚ぼったいセクシーな感じで、真子もなかなかの美人です。
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★著者:宇野亜喜良
★販売元:(株)勁文社
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
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風紋の街 (ケイブンシャ文庫)

風紋の街 (ケイブンシャ文庫)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 勁文社
  • 発売日: 2000/05
  • メディア: 文庫



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