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峠に棲む鬼「イラスト分析11」・・・後背位3 [峠]

今回ご紹介するのは「峠に棲む鬼」東スポ版です。
本来であれば、東スポ版に掲載されたすべてのイラストをご紹介したいところなのですが、そうもいきませんので、どれもすばらしい中でも特にこれはお奨めというものをピックアップしてご紹介したいと思います。

本作の中盤における一つのピークは、竹生島での麻紀子救出作戦があげられます。
この作戦は失敗し、真庭は麻紀子を救出することができず、逆にとらえられ、夫婦で倉田たちの奴隷となってしまいます。
麻紀子が素裸で磔刑にされ、竹槍に串刺しされる寸前に処刑は中止され、夫婦揃って倉田たちの前に引き据えられます。
この時点で真庭と麻紀子は揃って素裸にされており、すでに人間扱いではありません。
そして、麻紀子は竹槍で刺し殺される恐怖のあまり、失禁してしまいます。その後、倉田の前に跪き、奴隷になりきることを心から誓うのです。

「麻紀子が磔にされた」イラストを眺めながら、「恐怖に小便が流れ出ていた。」の文章をみると、麻紀子の小便の、地面への落下音が聞こえてくるかのような臨場感があります。
男たちがみている前で失禁したことをもって、西村先生は「麻紀子が屈服し、人間の女であることを放棄した」事を表現したかったのではないかと思います。

排泄行為を他人にみられることは、何にもまして恥ずかしいことです。SMにもそういった行為があります。
主人たちはくつろいでソファーに腰かけ、コーヒーを飲んでいます。
そして談笑し、嗤いながら素裸の麻紀子が失禁した様子を眺めているのです。
寒風の中で、素裸で竹槍に突き刺される恐怖。麻紀子にとり失禁だけですんで幸いだったのは、あまり食事を与えられていなかったからかもしれません。
そして、主人たちはおそらく麻紀子の失禁程度は予想し、談笑していたのではないかと思われます。
つまり、麻紀子が「主人たちの意志によって強制的に排尿させられた」=「人間としての矜恃や誇りを放棄させられた」ことではないかと感じた訳です。

さて、前置きはこのくらいで、今回ご紹介するイラスト2点は、そののちの麻紀子の様子を表したものです(3枚目のイラストは余談にて紹介)。
一枚目は、「第七章 孤島」の第122話で使われているもので、倉田の寝室にいる麻紀子のイラストです。
「麻紀子は素裸だった。
倉田恵治がベッドに腰をかけていた。麻紀子は倉田の股間に入って、倉田の男根を口に含んでいた。
さっきから、そうやって愛撫をさせられていた。」
のところです。

イラストの麻紀子は床に這って尻をこちら側に向けています。
尻のこちら側にいるのが、主人である倉田恵治です。
それまで麻紀子は長い間、倉田の男根を口に含んだり、舐めたり、尻の割れ目や肛門を舐めたりして、懸命に性の奉仕をしていました。
その後、麻紀子は倉田に犯され放心状態になるほど屈服させられるわけですが、命令されたわけでもないのに、性の奉仕の途中で自分から四つん這いになり、凌辱を乞うています。
イラストに描かれている状態はまさにこの「麻紀子が、床に手足をついて這った。」瞬間を表しているものと思われます。

倉田の命令ではなく、麻紀子が自主的に尻を差し出したわけですが、それ以前から
「麻紀子は従順に倉田に仕えていた。倉田が尻を向けると、ためらわず、そこを舐めた。」
とあることから、この時点では麻紀子は「精神的に」倉田に屈服し(上述の竹槍の恐怖で)、性の奴隷になりきっていた「奥深い」イラストであるといえます。
それは、
①男根を入れられた瞬間に声を洩らしていることや、
②「いずれは殺されるのであろうが、それまでは尽くすしかなかった。」と、いまだけでなく「これからも死ぬまでずっと倉田の奴隷として性に尽くすこと」を、犯されながら考えていること。
そして、
③倉田に命令されると、その命令通りに泣きながら絶頂に達していることなどが、その証拠となっています。

倉田が愛撫も何もしてないにもかかわらず、男根を入れられた瞬間に声を洩らすほどですから、麻紀子は口腔性交の最中から相当濡れていたものと思われます。
ちなみに、麻紀子が元々濡れやすい体質なのは、真庭と初めてセックスした場面でも描かれています。

麻紀子は男根を舐めながら倉田の表情を伺い、倉田の征服感を満足させたことを確認したことでしょう。
すでに精神的な奴隷になりきっていた麻紀子ですから、そのことに疑いを挟む余地はありません。
そして倉田の勃起度合いを確認すると、入れてもらいたくて(喜んで)自分から四つん這いになりました。
性交奴隷ですから、ご主人さまの性に奉仕する(最後には入れて頂く)ことだけが存在理由です。
愛撫もないのに濡れ濡れになっていたわけですから、このときの麻紀子の体は押さえようもなく火照っていたと思われます。

それは倉田恵治の
「みているがいい。いまに、君の妻は、うれし泣きするよ」
という、かつてないほどの(不似合いな)自信満々の台詞と、そのすぐあとの
「自信があるのか、倉田は緩慢な責めをつづけた。」
という行為で証明されているわけです。

そして最後に、倉田は麻紀子の膣に射精します。
「倉田の放出したものが、小さな部屋を埋めた。」の場面です。
人妻である麻紀子が夫の前で、他の男の男根をしゃぶらされ、犯される。いかされ、最後には中出しされる。
中に出された瞬間が、麻紀子が「精神」のみならず「肉体」まで征服され、倉田の真の奴隷になった瞬間であり、「倉田に自ら尻を差し出している(無抵抗な)麻紀子」のイラストは、まさにその象徴であるといえるのではないでしょうか。
Scan10121-1.jpg

「自分は奴隷ですらなく家畜である」と、麻紀子自身が考えている記述があります。
実際、大型の家畜には焼き印を捺すことがあります。
本作のスピンオフとも言うべき「妖しの花 乱れにぞ」にも、麻紀子の娘「紀魅」がアマゾネスに乳房に焼き印を捺される記載があります。
その意味では、「倉田が射精した瞬間」が「麻紀子に家畜としての焼き印を捺した」瞬間ともいえるでしょう。

余談ですが、このあとさらに、倉田は真庭におのれの男根を舐めさせています。
精液と愛液(汚物という表現を使っています)を舐めとらせ、清めさせているのです。
その上で、男根を喉まで差し込み、小便を飲ませています。
最後のトドメには、麻紀子の性器に溜まった精液まで、舐めとらせています。
性器の周辺や太股には先ほどの失禁でこびりついたままの小便もあったことでしょうから、汚物という表現からも推測できますが、おそらく相当な悪臭だったと思います。

麻紀子を真の奴隷として支配した倉田ですが、自分の惚れていた女をおのれの妻と宣言した真庭相手には「これでもか」とダメを押している感じです(拳銃で腕を撃たれてもいますしね)。
「喉の奥まで差し込まれて」や「男根は垂れていた。」等の表現から判断すると、倉田の男根はなかなかの尤物ではないかと思われます。
それを自慢するかのように、「おのれの男根で屈服させた奴隷女の夫」である真庭に見せびらかし、虐待の道具として使っているのです。

嫉妬心とともに、倉田のサディストとしての真骨頂がこのダメ押しに現れているのを感じました。
そのときのイラストがこちらになります。
「いった」あとの脱力状態の麻紀子を表しており、「絶望感」、「無力感」、「屈服」が非常によくわかる渾身のイラストです。
Scan10125-1.jpg

さて、もう一枚ご紹介する後背位イラストが「後背位で倉田に犯されている麻紀子」です。
本イラストは「第七章 孤島」の第123話で使われているものです。
イラストでは裸の倉田が読者に背を向け、わずかに下を向いています。
そしてその視線の先にいるのが麻紀子です。
麻紀子は素裸で倉田の前に這っており、倉田に向けられた尻が高く掲げられています。

実際、123話は「倉田と新納が言い争っている」場面なのですが、ここでは122話の余韻が後を引いているかのように、倉田に後背位で犯される麻紀子」のイラストとなっています。
倉田は新納と口論になるのですが、彼の脳裏にはさっきまで弄んでいた麻紀子の裸身が走馬燈のようによぎっていたのではないでしょうか。

倉田は麻紀子に惚れていたわけですし、正式に入籍したわけではないにも関わらず麻紀子と夫婦を名乗っている真庭の前で麻紀子を犯し、おのれの男根で泣き声を出させ、いかせて、さんざんに屈服させたわけですから、サディストである倉田がそのときの余韻に浸り、思い出していても何ら不思議ではありません。

この3点の入魂のイラストを見ると、「西村・安岡」両先生にもこの場面が本作のピークの一つだと考えられたのではないかと、個人的には考える次第です。
Scan10122-1.jpg
★著者:安岡旦
★販売元:東京スポーツ新聞社
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
★画像使用に対し、原権利者からの削除指示がある場合は即座に削除します。
★掲載画像の再利用(複製・転載・プリント)は固くお断りします。

峠に棲む鬼〈上〉 (1978年) (西村寿行選集)

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  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1978/03
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峠に棲む鬼〈下〉 (1978年) (西村寿行選集)

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