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牙城を撃て「イラスト分析」・・・縛り(SM)その1 [牙城を撃て]

文庫版はイラスト(挿画)が一切無いので、とても地味なイメージですが、いわゆる「カバー」だけは唯一の魅せ所となっています。
その文庫版の中で、特にお奨めなのが角川書店より発売された「牙城を撃て 上下巻」です。

そのイラストは、撮影した本物の女性をモデルにイラスト化した可能性があり、完成度も非常に高く、傑作となっています。

「牙城を撃て 上下巻 角川文庫 カバーイラスト(カラー)」に登場します。

「牙城を撃て」は麻薬組織に捕らえられた警視庁の刑事「三影」が、同じく捕らえられた人妻「純子」と協力し合い、組織に復讐を成し遂げるシナリオになっていますが、復讐を遂げるまでの間、純子は何度も捕らえられ、性交奴隷として飼われ、数え切れないほどの凌辱を受けつづけます。
純子は「性の奉仕」をするためだけに生かしておいてもらえるのです。

構図はまさにその瞬間を描いたものと思われ、横たわった純子の目隠しをされた美しい貌が印象的です。
イラストでは、上半身裸(おそらく全裸)の純子が細くて赤いロープで縛られています。残念ながら乳房は上の方だけしか見えず、乳首は無しです。
黒い布で猿轡をかまされ、目を目隠しされています。
二本の赤いロープは首の後ろにぐるっと回され、乳房と乳房の谷間に向かっています。
このロープは乳房の谷間で交差し、さらにその先にまで続いていることから、純子は「亀甲縛り」をされているものと推測しています。
ただし、両方の乳房の上を地面と平行して通すはずのロープが見受けられないことから、「後ろ小手縛り」はされていない模様です。
いずれにしても変形的な縛り方です。
ひょっとすると、純子の両手は男に奉仕するために縛られていないのかも知れません。

この状態で、純子はのけぞり、貌をゆがめ、白い歯が唇の間からこぼれていますので、おそらくは「感じて、のけぞっている」のではないかと思われます(鼻も高くて美しい)。
目隠しをされると、何をされるかわからず、「どきどきして燃える」のを狙ったパターンかも知れません。
いずれにせよ、女性(石岡先生)が描いたイラストにしては、相当エロスな部類に入ると思います。

このイラストの状態と同一の場面は文中には記載されていませんが、純子が初めに捕らえられた中部山岳地帯での凌辱か、二度目に張に捕らえられた三国岳での凌辱かのいずれかの場所での様子と思われます。

上巻下巻とも全く同じ構図ですが、ベース色が異なり、上巻は暖色系、下巻は寒色系です。
この違いを考えてみました。
例えば、炎は温度が高くなればなるほど色が赤から青へ変化していきます。
同様に、三影と純子の復讐の炎の色が憎しみの深まりにつれて、赤から青へと色が変化していった。それに対応して、カバーの色を暖色系から寒色系へ変えたとはいえないでしょうか。

いずれにしても、是非一度手にとって眺めて頂きたい傑作です。
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★著者:石岡怜子 中道順詩
★販売元:(株)角川書店
★この画像は、作者、出版社などの原権利者が著作権を保有しています。
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牙城を撃て 上 (1) (角川文庫 緑 407-7)

牙城を撃て 上 (1) (角川文庫 緑 407-7)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1978/08
  • メディア: 文庫



牙城を撃て 下 (角川文庫 緑 407-8)

牙城を撃て 下 (角川文庫 緑 407-8)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1978/08
  • メディア: 文庫


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