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峠に棲む鬼「イラスト分析26」・・・代表的凌辱場面を考察する(その4) [峠]

前回に引き続き、「峠に棲む鬼」の主人公である逢魔麻紀子が「レイプの被害者」から「性交奴隷」に代わる分岐点になった場面の紹介をします。
今回もこのブログなりの大胆な解釈(個人的見解)を述べさせて頂きたいと思います。





<独自の解釈なので、不要な方は以下を「ご覧にならない」ことを強くお奨め致します>






あらましです。

「峠に棲む鬼」東スポ版92回のサブタイトル「中年の男が入ってきた。麻紀子に裸なれと命じ、自分もズボンを脱いだ」、東スポ版93回のサブタイトル「男は猿に犯させるといった。麻紀子が嘆願すると、ベッドへ引き倒した」、東スポ版95回のサブタイトル「男は腰を使いはじめた。麻紀子の股間を火の棒が灼いていた」、東スポ版99回のサブタイトル「麻紀子は再び中垣につかまった。ベッドにうつ伏せにされてまた…」の場面です。



関東製薬の闇組織に襲われ、拉致監禁された麻紀子は、男に性の奉仕を命じられます。
男の言いなりなって悶えているうちに、感じてしまい、麻紀子は最後には男に後背位で征服されてしまいます。
場面はそこからのスタートです。





男は、逢魔麻紀子を抱いて寝ていた。
足を絡ませている。左手は麻紀子の陰部にあてがわれていた。ときおり、男の指がのめり込む。そのたびに、麻紀子の体に埋ずめ火のように残っている余韻が、疼いた。
「どうだ。おまえ、よかったか」
男は訊いた。
「はい、ご主人さま」
麻紀子は素直に答えた。たしかに、男は、麻紀子を燃えたたせた。股間から力が抜けてしまっていた。男を憎む気持ちが、いまは消えていた。左手で男の男根を握っていた。もういちど、犯されたかった。
犯されても犯されても、犯され尽きない業火のようなものが、体の奥に潜んでいる気配がする。
性欲のおそろしさ、無残さを知った。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
麻紀子が男を「ご主人さま」と自然に呼んでしまうほど征服されてしまった場面が、つづきのはじまりです。

下巻に記述がありますが、麻紀子は「名器」の持ち主です。
そんな麻紀子を、男は男根で征服したのです。
「快感にゆがむ美貌」、「男根を褒めたたえる泣き声」、男が責めるつどびくびく反応する「白い裸身」、「絶頂時の許しを乞う悲鳴やうめき」、「膣の痙攣」が浮かびます。
男は、放心して無抵抗となった「美しい背筋や尻」を眺めつつ、フィニッシュに向かいます。
真白い尻を両手で鷲掴みにし、はげしく責めたてながら、麻紀子の身も心も征服した満足感に輪をかけ、「名器」に射精する瞬間は「支配欲」をさらに感じていたにちがいありません。
それがこの会話に表れています。

射精したあとも、麻紀子の名器に対する男の満足感が明確に描写されている記述があります。
「左手は麻紀子の陰部にあてがわれていた。」がそれです。
射精で萎んだ男根の代わりに、男は指を麻紀子の膣に入れています。ほんのわずかなひととき(回復までのひととき)でさえ、麻紀子の中から離れたくない様子がこの描写でうかがえます。

これほどの男ですから、本当に麻紀子が感じていたのかは、体の反応で言わずもがなで理解していたでしょう。
にもかかわらず、強いて麻紀子の口から感想を述べさせた。
優越感丸出しの、ご主人さま面したこの男のことばが、麻紀子はもう自分のものだと言わんばかりの傲慢さです。

話の展開から、男ははじめから麻紀子を「征服」する計画だったと思われます。
仲間の話を聞いて、「名器の持ち主」である麻紀子は美しいけれど、「マグロ」なのはきいていたはずです。男はただ犯すだけでは、ただの凌辱では満足できなかったのです。それで一計を案じた男は、ことば遊びをしました。
その結果、男は麻紀子に潜んでいたマゾとしての性を目覚めさせ、その計略どおり、征服したのです。

ただ、マゾに目覚めた麻紀子でしたが、男は最後には強烈なしっぺ返しを食らうことになります。
マゾとなっても、プライド高い自我は以前のままです。
麻紀子を征服したと思い込み、油断しきっている男は、そのことには気づかず悲劇にあってしまいます。




「おまえほど、きれいな奴隷はいない。猿の女にするのは、惜しい」
「おゆるしくださいませ、ご主人さま。わたしを永遠に、こうして……」
「永遠にか……」
男は、つぶやいた。
「そうできれば、な。だが、おまえは仲間の共有物だ。犯されて、そのうちに、殺される運命だ」
「…………」
男のが勃起しはじめていた。麻紀子はゆっくり、擦りはじめた。もう、どうでもよいという気がしていた。もういちど、男に犯されたかった。そして、そのまま死にたかった。
生への道は完全に絶たれていた。希望が絶たれると、復讐心も過去の遠い、もの憂いものに思えた。執着を捨て切れないだけのいちるの光明でもあれば、この男を殺してでもと思うのかもしれないが、いまは、それはなかった。
出口のない闇に閉じこめられていた。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
この時点で、麻紀子は自分の置かれた状況を把握しつつも、ご主人さまに犯されることのみを願う、淫乱なメス奴隷になりきっています。
男と足を絡ませ、その胸に抱かれたまま、麻紀子は余韻に体を痺れさせて、思考停止しています。
脱出できないのだから、性交奴隷になるのは仕方がないと、言い訳を繰り返し、犯される自分を正当化しているのです。

自分が名器なのは、いままで相手をした男たちの放出がやたら早かったり、実際に言われて、麻紀子は承知していたかもしれません。
これほどセックスが気持ちいいとは、知らなかったでしょう。
だから、その「名器」の持ち主たる自分が、かつてないほどの快感を与えられ、麻紀子は男に屈服しきってしまいました。
そして、その「ご主人さまの」「愛おしい」男根を握ったまま、麻紀子は放しません。もっと犯して逝かせてほしいと考えており、握ったままなのは男へのその意思表示だったのです。

永遠に男の奴隷でいたいと麻紀子に語らせ、男は有頂天になっていました。その油断が男を地獄のどん底に突き落とすことになるとは、わかっていませんでした。
油断せずに二回目が終わったあとすぐに立ち去っていれば、麻紀子に痛い目をみせられることもなく、麻紀子が脱出しようとした事実はなかったはずです。
性交後の、萎れた情けない男根を麻紀子にみられてしまった為に、麻紀子の洗脳は解け、睾丸を二度も潰されるという大反撃に遭ってしまいます。

それがなければ、セックスの余韻に脱力しきった麻紀子は、中垣明に大人しく連行されたか、描写通りに朝まで中垣にセックスで責め抜かれ、今度は中垣明の奴隷女になりきったでしょう。

倉田恵治が麻紀子を自分の元に連れてくるよう命じた為、麻紀子との関係はこの夜だけになってしまいましたが、そうなればそうなったで、麻紀子から「いい目を見た」にもかかわらず、しっぺ返しを食わなかった稀代の「ラッキースター」として、読者の間で名をはせていたかもしれません。

いずれによせ、この麻紀子の心情の変化は、以降の展開を思うと大変印象深い描写です。



男が乳房を揉みはじめた。
やがて、男は完全に勃起した。ゆっくりと、麻紀子に乗ってきた。麻紀子は足を拡げて、迎え入れた。そうしただけで、何か熱い棒に似たものが脳裡をかすめた。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
もはや性交奴隷になりきっている麻紀子は、男の男根を積極的に受け入れます。
麻紀子は自分から足を開いて、性器を拡げました。
男根を握っていたので、「完全に勃起した」のはわかっていました。
麻紀子に擦られて、男は二度目はすぐに入れたがっています。
麻紀子は自分に乗ってきた男の意思を察知して、「足を開いて、迎え入れた」のです。

麻紀子の頭の中には、さっきまでの快感や、それを与えてくれる男根の感触が蘇っています。このときの麻紀子には「ご主人さま」の男根に犯される喜びしかなかったでしょう。犯される喜びで貌は恍惚にゆがんでいたでしょうし、膣もヌルヌルに濡れていたにちがいありません。

さっきまで自分の中で暴れていたご主人さまの「熱い棒」が、また入ってきました。
麻紀子の下半身を征服した「熱い棒」が、脳裡をかすめるところまで届いてきました。
ふたたび、身も心も男に征服されることへの麻紀子の期待感が表れている場面がこの描写です。




男はゆっくり、焦らずに腰を使いはじめた。股間を、火の棒が灼いていた。
「ああ、ご主人さまッ」
麻紀子は、男の胸にしがみついた。
わけがわからなくなりはじめていた。男の一突きのたびにすーと気が遠くなりそうな快感が湧いて出るのだった。
男は同じリズムを保った。小さな気泡がつぎつぎと男の男根から生じて麻紀子を頂点に誘っている。気泡は脳裡の暗い海面に浮かび出て、つぎつぎと、弾け散った。
その速度が速くなってゆく。
気泡は際限もなく湧いた。
麻紀子は悶絶した。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
失神するほどの快感です。
麻紀子は美貌をグシャグシャにゆがませて泣き叫んでいたでしょう。

精神が究極に追い込まれた時は、人は本音が出ます。
この状況で、麻紀子は男を「ご主人さま」と呼んでおり、男根を「火の棒」と感じていました。
序列の最下層に位置する奴隷女には、ご主人さまの分身である「火の棒」には敵いません。
この瞬間は、麻紀子が男を心の底から自分の主人と考え、その男根に犯される喜びを思わず表現してしまったことが、この描写でわかります。

男は「同じリズムを保ち」、麻紀子を責めつづけます。
「名器」である麻紀子相手にこうなのですから、女に対しては相当な経験者なのでしょう。女を失神させるほど喜ばせることも、当たり前のことなのかもしれません。

休むことなく股間からひっきりなしにやってくる「熱い棒」から快感は、今度は「泡」という表現で麻紀子の脳裡を占領していきます。快感がどんどん溜まって、脳裡を満タンにしていきます。

この時点で、男を阻むものはもう何もありませんでした。
男の責めにメロメロの麻紀子が、無我夢中で両手両脚を絡めてしがみついてきています。自慢の美貌も、醜いほどゆがんでいます。
「気泡」のリズムと「麻紀子の呼吸」のリズムは同じでしょうから、麻紀子を一度逝かせている男からすれば、逝くタイミングもわかったことでしょう。
男が止めようとしないのですから、麻紀子にできることはふたたび男に「征服」されることだけでした。
あっけなく、麻紀子は男に征服されます。
そして、その男がもたらしてくれる快感は、麻紀子の意識をフェードアウトさせるに充分な、強烈なものでした。
あまりにも強すぎて、脳が破壊されるのを恐れるほどの快感だったのです。
男の希み通り、麻紀子は征服され、失神させられます。
本作中、麻紀子が犯され失神させられた「明確な」描写は、これが唯一です。
失神しながらも、膣を痙攣させている麻紀子。弛緩しきった白い美貌、白目を剥き、半開きの口からはよだれが垂れている。
そんな麻紀子を想像させる描写です。




気づいたときには、うつ伏せにされて、男に尻から犯されていた。すぐに、男は痙攣してはてた。しばらくたって、麻紀子はトイレに立った。足もとがふらついていた。体には重い揺曳感がたゆとうていた。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
正常位で麻紀子を失神に追い込んだ男は、つづけて後背位を愉しみました。
名器の、「断末魔の痙攣」にも耐えた男です。
正常位だけで済ませるはずもありませんでした。
また、寿行作品にとって、後背位は征服の体位です。
その麻紀子を存分に愉しんで、男は「名器」に放出しました。

麻紀子への”中出し”表現は上巻では四度目になります。
組織員、中垣、真庭、そしてこの男です。
「口腔性交」や「肛門性交」を強いられたとの表現はありますが、射精についての明確なものについては、膣に放出するこの四回だけです。
作者は、男のフィニッシュについては、「後背位」で「膣」に拘りたかったのでしょう。あるいは、膣に拘る男たちを描写することで、麻紀子の名器ぶりを読者に示したかったのかもしれません。

中出しされてもしばらくの間、麻紀子は立ち上がることができません。
失神するほど膣で感じるようになった麻紀子です。
目覚めても、男の責めはつづいており、男の責めに身を任せながら、麻紀子は感じつづけていたでしょう。
膣に射精される感触は、さらなる快感と、男への屈服を呼び起こさせたのにちがいありません。麻紀子はご主人さまに性器を差し出したまま、余韻を貪っていました。

やがて、男が離れます。
自分を占領していた「ご主人さま」が抜け出ることで、至福の時は終わり、麻紀子は自分の役割を思いだしました。
組織員全員の性交奴隷だということをです。
この男は自分を綺麗にしてくれません。男はご主人さまで、自分は奴隷なのだから、それは当然です。そしてつぎの「ご主人さま」がいつ来るか、わかりません。いつまでもぼんやり寝ていたら、つぎの「ご主人さま」が来た時に激怒され、折檻されるかもしれません。
麻紀子はそれで、疲れた体を引きずって、トイレに向かったのです。
ビデなどという便利なものがあるはずもなく、麻紀子はそこでトイレットペーパーで溢れ出る精液を拭いたのでしょう。
「体には重い揺曳感」で「足もとがふらつく」麻紀子の姿は、例えていえばノックアウトされたボクサーのようでありました。
太ももに大量の精液を伝わせながら、いまにも倒れそうになりながらもふらふらとトイレに向かう麻紀子の姿は、「無力な奴隷女」そのものです。
男はそれをみて油断し、二度の疲れには勝てず、寝てしまったのだと思われます。




ベッドに戻った。後頭部の禿げた男は、目を閉じていた。品性のかけらもない顔だった。裸で、死んだようになっている。麻紀子は男根をみた、萎縮していた。みつめていると、急に憎悪が湧いた。どこから湧いたのか、麻紀子にも唐突すぎてわからなかった。男の奴隷になって性欲を体から貪婪に絞りだしたせいかもしれなかった。
麻紀子は体をかがめた。すばやく、男の睾丸を握った。そうすれば男は悶絶するとはきいていたが、真実はわからない。ともかく、両手で力いっぱい握りしめた。握りつぶす勢いだった。
男が、短い叫びを発した。上体が跳ね上がったが、途中で落ちた。落ちたときには、男は失神していた。
麻紀子は手早く服を着た。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
いよいよ男に「痛恨」のしっぺ返しがやって来ます。
肛門を麻紀子に舐めさせた倉田恵治が、竹槍で串刺しにされ殺されるほどではありませんが、美の女神相手にいい目を見ると、必ず報復があるのです。
このパターンは正義の味方と悪が登場するアメリカ映画によく見られます(悪いことをしたものには、その報いが必ずある)が、西村作品にもこのパターンは多いです。
有名なところでは、土田明子や朝倉和子がそうですね。

このあと、目覚めた男が棒をもった麻紀子に素手で立ち向かい、逆にボコボコにされ、今度は棒で睾丸を潰されてしまいます。
それでも、竹槍で刺されなかっただけ、男はまだマシでしたが、こんなに気持ちよくさせてあげたのにこの仕打ちでは、なんとも切ないですね。

イラストは(1)「男に正常位で犯され感じてしまう麻紀子」、(2)「男に逝かされたあとの、放心した状態の麻紀子」を描いたものになります。
(1)のイラストでは男が麻紀子の両脚を手にかけ、ベッドで正常位で犯している情景が描かれています。
男に犯され、麻紀子は恍惚の表情を浮かべ、口を半開きにし、貌をのけぞらせています。男に裸身を晒し、言われるがままに両脚を拡げ、男の凌辱を受け入れているこの麻紀子からは、もはや組織を憎んでいる雰囲気は感じられません。
何もかも忘れて、男根の責めを愉しんでいるようにも、性交奴隷になりきっているようにも感じられます。
逝っている瞬間なのか、麻紀子は両手でベッドのシーツを掴みしめています。
(2)のイラストは男との一度目のセックスが終わったあとの、麻紀子の下半身を表しています。
男にさんざん逝かされて、反抗する気も失せたまさにその状態の麻紀子が表現されています。
下半身(性器)を支配されたことを明確にする為に、イラストも全身ではなく下半身のみとされたのかもしれません。

Scan10091-1.jpgScan10093-1.jpg
★著者:安岡 旦
★販売元:東京スポーツ新聞社
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★この画像は、純粋に作品の紹介を目的として、引用しています。
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