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峠に棲む鬼「イラスト分析27」・・・代表的凌辱場面を考察する(その5) [峠]

前回に引き続き、「峠に棲む鬼」の主人公である逢魔麻紀子が「レイプの被害者」から「性交奴隷」に代わる分岐点になった場面の紹介をします。
今回もこのブログなりの大胆な解釈(個人的見解)を述べさせて頂きたいと思います。





<独自の解釈なので、不要な方は以下を「ご覧にならない」ことを強くお奨め致します>




あらましです。

「峠に棲む鬼」東スポ版98回のサブタイトル「憎むべきあの中垣が投網をもって麻紀子の前に現れた」、東スポ版99回のサブタイトル「麻紀子は再び中垣につかまった。ベッドにうつ伏せにされてまた…」の場面です。



関東製薬の闇組織に襲われ、拉致監禁された麻紀子でしたが、組織員の隙を突いて脱出を試みます。運良く脱出の途中で棒を入手できた麻紀子は、男の敵ではありません。
次から次へと現れる殺し屋じみた組織員の睾丸と男根を棒で叩きつぶして倒していきます。
まさに「無双」となって、出口に突き進む麻紀子でした。
そして最後の最後に、ダンジョンのラスボスたる中垣明が現れ、麻紀子と対峙するのです。
場面はそこからのスタートです。










出口に、足音もたてずに、一人の男が立った。
麻紀子は、足を停めた。男は奇妙な服を着ていると思った。すぐにそれが服ではなくて、投網(とあみ)を体にまとっているのだとわかった。
男は半身になっていた。いつでも投網を投げられる態勢になっている

「棒を捨てろ、逢魔麻紀子」
男は麻紀子の目をみつめた。
「中垣ー」
「そう、中垣明だ」
「とうとう、出てきたわね」
麻紀子は、、二、三歩、退った。
恨み骨髄に徹している中垣である。
真庭正之とともにとらえられてたときの、暴虐の数々を思いだした。あれが、この闘いの発端となったのだ。
「棒を捨てろと、いっておる」
「お断りするわ」
麻紀子は棒を構えた。
「無駄だ。そいつも、投網にはかなうまい」
中垣は半身の姿勢を保って、にじるように動いた。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
牢獄からの脱出をはかった麻紀子は、途中で棒を入手したことで、無敵の無双状態になっています。
その無敵の女戦士「麻紀子」の前に現れたダンジョンのラスボスが、「中垣明」でした。
無敵の女戦士が敵にとらえられ凌辱される場面は、男のおかずとして定番のひとつになっています。それは今も昔も変わらない(いわゆる「萌え」)のは、改めてみてもうれしいかぎりです。
ラスボスたる中垣明の最終兵器は「投網」でした。
ラスボスの最終兵器なのだから、最強の女戦士に絶大なる効果があると、予告されているようなものです。
実際、中垣の口から麻紀子への最終宣告が自信たっぷりに確信を持って語られています。
このあたりは、麻紀子が凌辱される妖しい場面をふたたび見られるかも……という読者心をくすぐる演出として、何度見てもわくわくさせられる場面です。

この場面で西村先生の用意周到さに驚嘆させられるのは、杖術の奥義会得者である逢魔麻紀子への最終的な対抗策として、組織が投網を用意していたという点です。
逢魔高時率いる鬼無村へ組織が進行した際、すでに組織は杖術を熟知していたのでしょう。それは鬼無村村民である平岡が組織にとらわれた際、杖術を使い、逃れたことで、一村民に過ぎない平岡がこの驚くべき杖術を会得していた事実は、組織に非常な脅威を与えたのでしょう。
それは、村民であればだれでも、例え女子供・老若男女にかかわらずこの杖術を会得している可能性があるからです。
そのため、組織が鬼無村を襲撃した際、村民すべてを皆殺しにする為、組織員は自動銃を装備していたのでしょう。
ただ、この事件でわかるとおり、自動銃では手加減の余地もなく相手を殺してしまう。
それでは麻紀子相手にはダメなのです。
それゆえ、「杖術を操る相手を捕獲する為には投網を使用する」という設定を設けたのではないでしょうか。

ここまで来ると、西村先生の本作に対する驚くほどの深い設定にはただただ驚かされるばかりです。




どうなるのかは、麻紀子にもわからなかった。明鏡流極意にも投網との闘いはなかった。想定したこともないのだ。中垣が投げる投網は大きな円を描いてスッポリ麻紀子を包み込もう。もし、包み込まれたら、それまでだ。棒は動かなくなる。
襲いかかる投網を、棒で打ち払えるかーそれは、やってみないとわからない。かりに打ち払えたにしても、その隙を衝かれて中垣に組みつかれることになれば、万事は終わる。
だが、棒は捨てられなかった。
そうすることは死を意味していた。男たちは憤りのあまり、麻紀子を牡猿に犯させ、その猿の女にするにちがいなかった。素裸で檻にいれられ、牡猿に背後から犯される日日を思うと、その屈辱に耐えることはできなかった。
生か死かが、棒一本にこもっていた。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
ラスボスの最終兵器「投網」を前にして、無敵の女戦士麻紀子も少々ひるんでいます。
あまりにも意表を突かれた武器に、動揺を隠せません。
オリンピックを見てもそうですが、一流同士の闘いで技術レベルにそれほどの違いがなければ、決め手になるのはやはり気迫の部分が大きいでしょう。
このときの中垣明と麻紀子の関係がまさにこれで、麻紀子は闘う前から中垣明に呑まれてしまっています。闘う本人ですら勝利を確信していないわけですから、これでは勝てるはずもありません。
中垣明の勝利は確定的でした。
そして、そのことは当の麻紀子にもうすうす予想できました。
中垣と対峙しながらも、ふたたびとらえられ、素裸にされ、猿に投げ与えられる自身を早くも想像しています。
後背位で牡猿に犯される自身を想像し、屈辱に身を震わせているのです。
しかし、麻紀子は気力を振り絞り、そのおぞましい想像を振り払い、棒に集中します。
それがこの場面です。




中垣はゆっくり、前に出てきた。
麻紀子は隙を窺っていた。
中垣の足が、にじり出た。
麻紀子は床を蹴った。
中垣との距離は数メートルとなかった。棒を伸ばして突進すれば三、四歩で届く。届けば、そのときには中垣は死んでいるのだ。
麻紀子が床を蹴ったのと同時に、中垣は腰をひねっていた。
音もなく投網が拡がっていた。
拡がった投網の向こうに中垣の姿がみえる。そのまま突き進むか、払うかで、麻紀子に、一瞬、ためらいが出た。そのためらいが麻紀子の明暗を分けた。
腰を引いて、眼前に拡がる投網を、打ち払った。
投網の大きく開いた傘が、急に絞られた。一点に棒がかかり、薙ぎ払ったのだ。覆って、まだ長く尾を引いていた。
逢魔麻紀子は焦った。
投網から棒を抜こうとした。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
想像通りの展開となりました。
眼前に拡がる投網を無視して中垣に突進しても、麻紀子が中垣を打ち倒せたかどうかはわかりません。

自分に対して向かってくる、しかもそこそこの重量があると思われる投網を突き抜けて中垣に攻撃できるかどうかですが、まずは投網を突き抜ける為には、
(1) 麻紀子の体重とスピードから導き出される運動エネルギーが、投網の重量とスピードから導き出される運動エネルギーより勝っているか
さらには、
(2)そののちも、麻紀子が中垣に向かって突進できるスピードを維持できているか
ということになります。

また、突き抜けられたとしても、
(3)その時点で中垣の位置を正確に把握していたか
(4)棒が戦闘態勢のままの位置で保たれているか。例えば、棒の動きを妨げるように、投網が棒や腕に絡まっていないか

の最低でも4つの条件がクリアされていることが必要でした(数学や物理に詳しい方、間違えていたら済みません・・・)。

ただ、それは麻紀子自身も認めているように結果論でしかなく、中垣と対峙した当初、麻紀子の精神に「ためらい」が出た時点で勝負は決していました。
投網を意識し、足を停めてしまった時点ですでに麻紀子は負けていたのです。

足を停め、棒と投網をあわせてしまったことで、麻紀子の腰は引け、棒だけが先に突き出され、絞られる投網の格好の的になってしまったからです。
武器を持たない丸腰の麻紀子は、もはや男の敵ではありませんでした。




そのときには、中垣明が傍に立っていた。中垣は麻紀子を背後から腕ごと羽がい締めにした。振りほどこうとしたが、中垣の力は強かった。身動きもできなかった。
「諦めろ。暴れる気なら、当て身をくわせるぜ」
麻紀子は体の力を抜いた。それまでだった。もうどうにもなりはしない。泪が出た。いったんは自由を掌中にしただけに、この絶望は深かった。
「歩け」
中垣に背後からかかえられたまま、もとの事務所に向かって、麻紀子は歩いた。ふたたび、牢獄に戻るのだった。事務所を通り、廊下を通って部屋に入ったときには、舌を咬み切って死のうかと思った。
ベッドに突き倒された。
中垣はドアに施錠した。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
並み居る殺し屋同然の男たちをボコボコになぎ倒して、地下牢獄から悠々と脱出する寸前だった最強の女戦士「麻紀子」でしたが、最後の最後に現れたダンジョンのラスボス「中垣明」に敗れ、ふたたびとらえられてしまいました。
無敵と思われた「明鏡流杖術」が敗れたのです。
あるいはここで最後の奥の手(必殺技)である「全裸攻撃」をおこなっていれば、投網の弱点を見抜き、中垣明を打ち破れた可能性はあります。明鏡流の奥義は、全裸になって敵の動揺を見抜いて闘うことだからです。

まあ、そう麻紀子に教えた父の高時自身も、実は全裸奥義をみせたことがないので、本当に全裸が奥義なのかは少々怪しいところです。老人の男根ぶらぶらは想像したくないので作中で描かれなくてよかったと思っていますが、麻紀子のは単なるうれしい読者サービスです。

いずれにしても、その奥義(最後の必殺技)を出すことなく、麻紀子は敗れ去りました。
投網を前にして動揺をみせたのは麻紀子でした。相手の動揺を見抜くどころか、自身が動揺したのですから、勝てるはずもありませんでした。
もはや麻紀子には、中垣に反撃できる何の手段も持ち合わせていませんでした。
そしてこの負けにより、麻紀子は以降数ヶ月の間、男たちの性交奴隷として飼われつづけることになります。
中垣と闘って敗れた部屋から事務所まで戻され、廊下から牢獄部屋と辿った道を麻紀子自らの足で逆に歩かされ、徐々に希望から遠ざかっていく課程がみごとに描かれています。自慢の杖術をもってしても敗れてしまったことに、麻紀子はショックを受け、同時に、死ぬまで性交奴隷として飼われることが確定した絶望感に打ちひしがれます。
猿の女にさせられることも確定したからです。

杖術で負けたことにより、中垣明にはどうやっても勝つことができないのだとの思いが、麻紀子の心身共に染み込んだでしょう。それは同時に、こんな強い男に負けたのだから、中垣明の奴隷になることは仕方がないのだとの「言い訳」を麻紀子自らが作ったことにもなります。
いってみれば、
「こんなに強い人に反抗するなんて、無意味よ。できるはずないもの……」
といった感じでしょうか。

女性には言い訳は大事なことです。
「言い訳」=「大義名分」だからです。
これ以降、ラストシーンまでは、麻紀子は何をされてもいっさいの抵抗を放棄しました。中垣の活躍により、みごとに「杖術」が封印されたのです。




「立て」
命じられて、麻紀子はのろのろと立った。
「ずいぶん、暴れてくれたな」
中垣の右手が、ほおを叩いた。
耳鳴りがするほどの打ちかただった。一度では済まなかった。左右を交互に、数回、叩かれた。
目まいがして、膝を突いた。
中垣は手錠を拾った。麻紀子は手を後ろに回された。金属の肌に喰い込む感触が、麻紀子を奈落に突き落とした。
「ベッドに上がれ」
いわれたとおりに従うしかなかった。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
とらえた麻紀子に中垣は折檻を加えます。
これは怒りにまかせた暴力というより、反抗した奴隷への戒めではないかと思われます。反抗すれば、平手打ちされ、痛い目を見る。
しかも一度ではなく、麻紀子が心から反省するまで繰り返し叩かれるのです。
今回は平手打ちで済ませるが、つぎはこんなものでは済まさんぞという、主人たる中垣明の思いの表れが、この数回の平手打ちに込められていると思われます。
数回の平手打ちにくわえ、後ろ手の手錠の感触により、麻紀子の精神は一気に奴隷モードに突入してしまいました。
普段なら、多少の目まいを感じたところで持ち前の強気の心で堪えるところでしょうが、あっけなく中垣の前に跪き、命ぜられるままベッドに横たわってしまうのです。
数回の平手打ちでしたが、もはや麻紀子にはそれで充分だったのです。




ベッドに横たわった麻紀子を、中垣は愉しみながら、ゆっくり裸にした。麻紀子は瞳を閉じていた。中垣が尻をなでている。感触を愉しみながら、ゆっくりとなで回していた。もう、悪寒もおぼえなかった。肌そのものが感覚を失ってしまったような感じがした。はてのない凌辱がつづくのだった。
舌を咬んで死ぬことを、麻紀子は考えていた。いつ、死ねばよいのか。猿の女にさせられるときか、それとも、いまか。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
中垣の手でふたたび全裸にされ、麻紀子は永遠の奴隷生活を覚悟します。
精神が萎え、反抗する気も失せ、身も心も男たちに完全に屈服したのがこの場面です。同時に、猿の女にさせられることも覚悟していました。

素裸にされ、主人たちに無理矢理床に押さえつけられる麻紀子。
泣きながらの懇願も無視され、四つん這いにされ、尻を牡猿に突き出させられます。
牡猿が麻紀子の尻を掴み、抱えます。そのおぞましい男根が背後から体に入り、膣をいっぱいに埋め、動き回る感触……。

それは、主人たちの凌辱に馴れた麻紀子にとっても、死にたいほどのおぞましい想像だったでしょう。

「峠に棲む鬼」では、主人公を助ける犬が登場しない為、ライバルの猿はとうとう最後まで登場しませんでしたが、犬が関わる展開が出ていたら、ひょっとすると”猿の凌辱”もありえたかもしれません。

中垣も麻紀子が反抗を完全に放棄したことを悟っています。
捕らえた獲物は美しく、この美しい獲物を永遠に奴隷にできる愉悦が、そのゆっくりとした愛撫の動作に表れています。
中垣は特に麻紀子の尻に執着しています。
ゆっくり服を脱がせ全裸にし愛でながら、美しい尻をなで回しています。
麻紀子の尻の美的な美しさだけでなく、その名器ぶりにも中垣が執着していることが、この場面からも表現されています。




「おまえを射殺することは、かんたんだったのだ」
尻をなでながら、中垣は話しかけた。
「撃って、殺してくれればよかったのよ」
「だが、そうはいかぬ事態になった」
中垣は麻紀子をあお向けにした。
麻紀子は足を拡げさせられた。
「おまえを無傷で連れてくるよう、命じられている」
中垣は太股をなでさすりしている。
「だれに」
「ボスだ。会えば、わかるさ」
性器に指が移っていた。
「おまえを、ボスに渡す。おまえを人質にしているかぎり、父の高時も真庭も、うかつには真相を喋れない。やがて、高時も真庭も殺すが、それまでは、おまえは殺せないのだ」
中垣は執拗に性器を弄んでいた。足を大きく拡げさせ、眺めながら弄んでいる。
「すばらしい体だ。太股も、尻も……」
二本の指が突起を挟み、別の指が差し込まれていた。しばらくそうしていて、中垣は麻紀子をうつ伏せにした。裸になって、乗ってきた。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
中垣は「執拗に」性器を愛撫します。
初めて麻紀子をとらえた時もそうでした。




中垣は、またつづけた。片方の指は性器に入れられている。片方の指は突起した肉片を挟んでいた。執拗な愛撫がつづいた。指が麻紀子の中で動いていた。
「どうだ、気分は」
昂ぶった声が訊いたが、麻紀子は答えなかった。最初は打ちふるえていた感覚が、やがて、鈍麻した。それがいまはまたするどくなりはじめている。そのするどさには絶望感と快感が混じっていた。
自分を麻紀子はけものめいていると思った。殺されることが前提にありながら、執拗な愛撫に、ついいつの間にか快感が出はじめている。何か異様なものが股間に棲んでいる感じがした。
(上巻 第二章 ライター 4項より)
このときは、無理な体位で強引に犯す展開となり、麻紀子に苦痛のみをもたらす結果となりましたが、このときといまは状況もちがい、時間的な余裕がたっぷりある中垣ですから、麻紀子の愛撫にじっくり時間をかけます。
名器である膣への執着は当然ながら、麻紀子を殺すに殺せないほど、中垣は麻紀子の体に執着しているのです。
その思いが思わずことばになって発せられている場面がここです。
そして、中垣にはただ犯すだけでは飽き足りず、麻紀子の体を征服したい願望もありました。
それがこの性器への執拗な愛撫です。
一つの推測ではありますが、初めて麻紀子をとらえたとき、真庭の前で犯した麻紀子が反応し、逝かせたことで、これほどの女をふたたびおのれが男根の威力で屈服させてやりたいとの牡の征服欲が中垣にあったのではないでしょうか。

そして、当の麻紀子もその中垣の思いを知ってか知らずか、執拗な愛撫に思わず濡れてしまうのです。
中垣は自分の性技に自信があるのでしょう。そして麻紀子もすぐに感じてしまう体質でした。
麻紀子が濡れたのは、中垣に挿入されても痛みを訴えないことからも明らかです。
麻紀子が濡れたことを確認し、中垣は後背位で責めはじめます。




麻紀子は突き動かされた。中垣は背に回して手錠をはめた手を手綱のように握っていた。その姿勢で、尻を突き動かした。
唇を噛んで、耐えた。麻紀子はおそれていた。快感が訪れないことを、祈った。いつ殺されるかわからないが、死ぬ日までこうして、男の好きにされる。屈辱に耐えながら、その屈辱から喜びを得る女の体が、あさましかった。
脳裡の暗い海に何かが訪れつつある気配を、麻紀子はみつめていた。
(上巻 第八章 虜囚 2項より)
後背位で、しかも両手を後ろに引かれている麻紀子。
中垣の男根は膣をいっぱいに埋め、当然のように子宮まで届いています。
執拗に性器を責める中垣の意図を、麻紀子は悟っていました。
中垣は男根で責めたて、感じさせて、精神を屈服させようとしています。ただ「唇を噛んで、耐えた。」のは一瞬で、麻紀子はすぐに反抗を放棄します。屈服させられるのがわかっていたからです。
「女の体があさましい」と考えたのも、ここでも出てきますが、「言い訳」に過ぎませんでした。
感じたくなくても、膣が感じてしまうのだから、どうにもなりませんでした。
具体的な記述は省かれていますが、おそらくこのあと麻紀子は中垣の男根に征服され何度も昇り詰めたことでしょう。

後述にあるとおり、このあと麻紀子は長い間、おそらく一晩中、中垣にセックスで責められつづけます。
中垣は、ボスから麻紀子を連れてくるよう命じられたと、言っています。
だが、反抗心を持ったままの麻紀子を、武術の素人である倉田恵治に引き渡すにはリスクが多すぎます。それでその反抗心を抜き取る為、中垣は麻紀子を快楽で責めつづけたのでしょう。「男根」は女に喜びを与えてくれる尊い存在なのだと、改めて麻紀子の心身に刻み込む必要があったのです。
そして展開は中垣の狙い通りになります。

組織にとらえられた奴隷の男との、なかばレイプ同然に強要されたセックスや、売春婦同様に、組織の指定した男と寝るよう命じられ、初老の新納相手に強要させられたセックスでも、麻紀子は感じて逝くようになりました。

それほどセックスが、男根が好きになったのです。






逢魔麻紀子は目醒めた。
狭いベッドに寝かされていた。起き上がる前に周囲を見回した。狭い部屋だった。天井も低い。それに、ペイントの臭いがした。
部屋全体が揺れている。
揺れは脳にもあった。
強力な睡眠薬か何かを飲まされたようだった。その酔いが、まだ残っていた。酔いの滓が後頭部に溜まって、嘔吐感があった。
天井をみたまま、麻紀子は記憶を探していた。地下牢獄を脱出しようとして、五人の男を叩きのめした。それから、投網。
中垣明に犯された記憶が、最後だった。中垣は長い時間をかけて、麻紀子を弄んだ。はてたあとは、中垣に抱かれて寝た。一休みすると、中垣はまた勃起した。
二度目が終わったあとで、薬を飲まされた。そこからあとの記憶がない。
眠っている間に、どこかに移されたらしいのを悟った。
記憶にある光景も、遠い夢のような気がした。今日が何月何日なのかもわからない。すべてが自分とは無縁に過ぎ去って行く。自分だけは別の次元にいた。進みも退きもしない、停滞した時の中にいた。
死しかない未来を背負った女奴隷に、時はないのだった。そういえば、ひさしく太陽をみた記憶がなかった。
(上巻 第八章 虜囚 3項より)

目が覚めたあとの麻紀子は、自身が「女奴隷」であると素直に受け入れています。
「奴隷」というのは、ご主人さまの命令を忠実に実行する存在ですが、この場合は「性交奴隷」とするのが正しいでしょう。麻紀子には性的行為に通じること以外、強いられる使役はなかったからです。

ここでは、麻紀子が長い時間、中垣明に弄ばれていたことが記されています。「弄ばれた」とあることから、麻紀子を感じさせる為に中垣はさまざまなテクニックを駆使したのでしょう。麻紀子の性器や尻、乳房や乳首、そのほかのさまざまな性感帯を舐め、揉み、撫で回したでしょうし、中垣への性の奉仕に口腔性交も強いたことでしょう。あるいは肛門を舐めさせたかもしれません。
そして「犯された」とあることから、仕上げとして長時間、さまざまな体位で犯されたのです。「弄ばれた」のですから、途中で抜かれた男根を舐めさせられたり、そののちに再び犯されたといったこともあったかもしれません。

「はてた」とあるのは、いっけん、中垣とも麻紀子ともとれる表現になっていますが、「中垣に抱かれて寝た。」のは麻紀子ですから、この文章の主語は「麻紀子」となります。そのため、「はてた」のは麻紀子であり、麻紀子は長時間、中垣の男根に弄ばれ、最後には屈服させられたことがわかります。

反抗心を抜き取られた麻紀子は、もう中垣のいうがままです。しかし、中垣は警戒心を解かない。逝ったあとの油断が禁物だとわかっているからです。おそらく麻紀子は後ろ手に手錠を入れられたまま、中垣の胸に抱かれて睡眠を取ります。
後ろ手の手錠のままだから、寝ようとすればかなりの肉体的苦痛が伴ったはずです。だから、ちゃんとした休みが、深い睡眠が取れない。うとうとした程度でしょう。
それが「一休み」ということなのかもしれません。

そして、そのわずかな休息のあと、もう一度、凌辱されたのです。
もうそのときの麻紀子は、反抗心を抜き取られ、中垣のどんな命令でも忠実に従う性交奴隷そのものになっていました。
その前後の描写や置かれている状況からの想像ではありますが、このときの麻紀子の様子を推測したいと思います。

麻紀子が屈服したあとでも、相変わらず中垣は警戒心を解きません。
だから、麻紀子の後ろ手の手錠はそのままです。
勃起をうながす為、ベッドに寝転んだ中垣の股間に跪いて蹲り、後ろ手の手錠のまま口腔性交にいそしむ麻紀子。組んだ両手に頭を乗せ、横たわったまま油断なく麻紀子の奉仕を眺める中垣明。
中垣の股間に蹲り、男根を喉まで呑んで、しきりに貌を打ち振る麻紀子。
そんな情景が浮かびます。

後ろ手の手錠のままですから、膝だけで体を支えなければならず、長時間の奉仕は困難。口いっぱいにほおばっているから、呼吸もままなりません。
ですから長時間の奉仕をするには、膝を突いて背中をのけぞらせるような格好で、できるだけ胸を圧迫しない姿勢をとったにちがいありません。
中垣の股間に頭を埋め、頭を上下に振って口腔性交をつづけたのでしょう。

「長い時間をかけて、麻紀子を弄んだ」中垣です。
その男根も麻紀子を弄ぶにふさわしい隆々とした尤物なのでしょう。
その尤物を口いっぱいに含み、長時間の口腔性交を強いられ、そのうちに愛撫もされないのについには濡れてしまう麻紀子。
二度目の前の情景はおそらくそんなところでしょう。

そしていよいよ二度目の凌辱です。
勃起した中垣に命じられ、尻を差し出し、後背位で犯される麻紀子。
このときも後ろ手に手錠を入れられたままでしょうから、通常の後背位と違い、麻紀子は頭をベッドにつけ、尻を「より」高くかかげ、中垣に性器を突き出す格好をとったでしょう。
作中の表現でいえば、「うつ伏せになって、抱きやすいように尻を高くかかげて、中垣に向けた。」といったところでしょうか。


中垣は二度目ですから、名器相手でも相当な余裕があります。
尤物を尻から挿入され、声を洩らす麻紀子。
麻紀子の豊かな尻を抱え、中垣はゆっくり責めたてます。
頭をベッドにつけ、尻だけを高くかかげた四つん這いの姿勢でしょうし、両腕を手綱に取られていたかもしれませんから、尤物は麻紀子の奥まで存分に届いたことでしょう。
突かれるたびに、その衝撃は刻印のように麻紀子の膣と子宮、脳裡に刻み込まれたことでしょう。

後述の、クラインの凌辱にもあるとおり、麻紀子は巨根好きのようです。巨根に奥まで突いてもらうのが大好きなのです。そして、そこまで尤物に余裕をもって責められては、麻紀子ももはや屈服するしかありませんでした。
中垣に尤物で弄ばれ、さんざんに責められる麻紀子。
ここでも作中の表現でいえば、名器を味わう為に「中垣は、ゆっくり腰を使っていた。」といったところでしょう。

また、これは麻紀子をセックスで責め抜くことが目的の拷問なので、中垣が満足するまでは逝っても逝っても容赦してくれません。
いつ終わるともしれない凌辱が一晩中つづき、ついには屈服し悶絶させられる麻紀子。

おのれの男根で征服した美しい裸身を眺めながら、中垣は存分に名器を愉しんだことでしょう。そして最後に中垣は、悶絶し無抵抗に横たわる麻紀子の奥に悠々と射精したのではないでしょうか。


脱走を図った女奴隷を再度つかえまえたときは、セックスで折檻するというのが、中垣の調教法なのでしょう。
後述に、このような場面が描かれています。


中垣は、いいながら、麻紀子を裸にした。
麻紀子は観念して目を閉じた。
うつ伏せにされた。
中垣は前戯なしで、尻に乗ってきた。尻の隆起の谷で擦って勃起させると、強引に差し込んできた。騎乗位だった。手綱がわりに、後ろ手に縛った麻紀子の手を取った。
「隠れ家をいえば、痛い目をみないで済むぜ」
中垣はゆっくり動いていた。
「どうだい、昔のご主人様の味は?」
何かを刻み込むように、中垣は同じリズムで突きたてていた。
(下巻 第十七章 宣戦布告 4項より)

またこの中で、中垣の口から自分の男根についての感想、「ご主人さまの味はどうだ」ということばが語られています。
これは過去のいずれかにおいて、麻紀子と中垣に間で、男根の「味」について語られていたことを推測できる表現です。
中垣が麻紀子に「味」の感想を語らせ、麻紀子はそれに正直に答えた。
それは口腔性交で麻紀子に男根を含ませた際なのかもしれませんし、犯している最中にどれだけすばらしい味なのかを語らせたということなのかもしれません。
そのような過去があって、この「どうだい、昔のご主人さまの味は?」と、「さんざん喜んでいたおまえの大好きな味だぞ。どうだ、思いだしたか?」との意味を含んで訊いたのではないでしょうか。
それは「何かを刻み込むように、中垣は同じリズムで突きたてていた。」という、過去の記憶を思い出させるかのような「行為」に集約されているのだと思われます。



さて長くなりましたが、こうしてこの夜、「性交奴隷 逢魔麻紀子」が完成しました。
組織の男と中垣明の手腕により、麻紀子の体はどんな男相手のセックスでも感じるように開発されました。
また、その清く気高かった精神は醜く汚濁し、主人たちに屈服させられ、自身を性器具、あるいは女奴隷と考えるようになっています。



麻紀子自身は、坂本に抱かれることに抵抗はなかった。坂本であれ、他のどの囚人であれ、それは同じだった。いまはもう人格はなかった。
~途中略~
どちらにしろ、麻紀子には相手がどんな男であれ、その男根を拒む理由はなかった。
汚辱に満ちた体となりはてていた。
(上巻 第九章 孤島 2項より)
後述にもありますが、同じ奴隷の男相手ですら、もはや麻紀子は拒みません。
それどころか、麻紀子は衆人環視の中、坂本相手のセックスでも感じてしまい、逝ってしまうのです。
とことん底辺まで堕ちた麻紀子でした。

さて、この一連の出来事により、真のラスボスである倉田恵治に、生け贄である麻紀子が捧げられる態勢が整ったことになります。

また後述になりますが、麻紀子は奴隷の男とセックスをして、ご主人さまたる男たちにとがめられ、素裸での磔刑にされてしまいます。
ただ、これは真庭正之が竹生島に上陸したことでのアクシデント。
それさえなければ、折檻こそ加えられていたでしょうが、磔刑はなく、すでに男たちへの反抗心を放棄した麻紀子にとってはとんだハプニング(いい迷惑)だったでしょう。



イラストは「再び中垣にとらえられ、中垣に凌辱される麻紀子」を描いたものになります。素裸の麻紀子が男に膝を掴まれ、太股を大きく拡げられ、その中に男が入り、正常位で責められている状況を表しています。
モノクロではありますが、男に責められ、大きな声を出し、のけぞるほど感じている有様や、麻紀子の美貌がはっきりとわかる傑作です。

中垣の凌辱について、本作では具体的な記述は後背位で終わっています。
イラストは、麻紀子が男に正常位で犯され、のけぞって声を出すほど感じている様を表している為、この凌辱は二回目以降におこなわれたものを描いたものであり、二度目の凌辱における麻紀子の様子が、上記「あくまでも想像ではありますが」が、事実だったことを裏付ける証拠といえるかもしれません。

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★著者:安岡 旦
★販売元:東京スポーツ新聞社
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