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峠に棲む鬼「イラスト分析18」・・・正常位3 [峠]

さて、このイラストご紹介シリーズ正常位編も3回目となりました。
今回も正常位編ですが、麻紀子の相手はご存じ、新納辰吉です。
ご紹介する「峠に棲む鬼」東スポ版は、「第七章 孤島」の128話のイラストです。

あらましはこうです。
竹生島に幽閉された新納は脱出するため、仲間を捜すため、奴隷の麻紀子に接触します。
麻紀子の口から仲間が数名いることを知り、彼らの自由を奪っている足枷の鍵を作るのです。
その接触の課程で、新納は麻紀子を一度、犯します。

イラストの麻紀子はベッドに横たわり、その上に横たわっているのが裸の新納辰吉です。
そして、麻紀子は下半身を裸にされ、その尻を新納がのぞき込みながら、右手で撫でています。

新納は立って、無言で麻紀子のジーパンを脱がせた。下半身を裸にして、ベッドに押し倒した。
麻紀子は瞳を閉じて、足を開いた。事実、新納はすぐに掌を陰毛に当ててきた。大きな掌だった。陰毛をしばらくなで、そのつぎには性器を愛撫しはじめた。
そうしながら、乳房を口に含んだ。
やがて、新納は裸になって、麻紀子に乗ってきた。
新納はことを急いだ。
麻紀子にとっては、そのほうがありがたかった。一刻でも早く済ませてほしかった。
男根が、体に入った。
新納は上体を倒して、麻紀子を掻き抱いた。
「よく聴け」
耳もとでかすかな声がした。

の場面です。

この時点では、新納は本心を明かしておらず、鬼無村事件の元凶が新納だと麻紀子は思っています。そのこともあり、麻紀子は目を閉じたままで「さっさと終わらせろ」という態度で、目を閉じたままマグロ状態で寝ています。
新納の本心を知ったこの直後の悶え状態とは真逆の冷めた雰囲気が、かなりの真実味を帯びたイラストです。
実際、気分が乗らないときの麻紀子のセックスはこんな感じなんでしょうね。

一方、新納は五十歳を超えた研究者なのですが、かなりノリノリで、麻紀子に挑みかかっています。
本文でも

「この女が、欲しい」
六人の中では、麻紀子がずばぬけて美しかった。どうせ抱くのなら、容貌肢体の美しい女がよかった。

と、歳の割には贅沢な本音をぶちまけています。
残りの人生で「できる回数」を考えたら、二十代の若者のように「できるなら、顔はあんまり気にしない」的なノリにはなれないのでしょう。

以外や以外、新納は腕や肩の辺りの筋肉がなかなかのマッチョぶりです。
竹生島に閉じ込められた新納は、おそらく研究の合間の暇な時間に息抜きで、筋トレで体を鍛えていたのだと思われます。
最近のことばで言うと、細マッチョでしょうか。

今回も、麻紀子は最後には新納に「いかされて」しまいます。
夫の真庭が地下牢で悶々としているのを知っていながら、「わたしに、博士のを、口で愛撫させてください」と逆におねだりしたり、調教された奴隷女であることを隠そうともしません。
「ああ、博士。わたしを許して、あッ、もう、わたし-」と、本来なら夫に許しを乞うところを新納にそれを求め、泣きながら、昇りつめているのです。

この「ゆるして」の意味するところですが、

①自分だけ愉しんで、先にいってしまって、ごめんなさい。
②こんなときに、いくどころじゃないのに、私、はしたないから、いっちゃった。ごめんなさい。
③もっと長く弄んで(愉しんで)ほしかったのに、先にいっちゃって(終わっちゃって)ごめんなさい。

と、いくつか考えられますが、おそらくは③でしょうか。

初めの頃、麻紀子は「女は、犯されることに快感は感じない。」と考える氷の女であったのが、主人たちの調教の賜物で、男根の味をたっぷり仕込まれ、犯されるたびに絶頂に昇りつめる体にされてしまいました。

自分では望んでいないのに、主人たちの責めで絶頂を究めてしまう。男根に征服される。
それをみた主人たちは征服欲を満足させる。
ふたたび、主人たちは麻紀子に挑んでくる。
征服される。
それが数十回も繰り返された結果、この時期の麻紀子は、もう立派な性交奴隷(男根中毒・セックス依存症)になっています。

「わたしに、博士のを、口で愛撫させてください」という言葉は、どうすれば男が喜ぶのかを知らなければ出てくるものではありません。
また、「男根が汚い」とは「もはや」これっぽっちも考えておらず、「大好きな(愛おしい)モノ」と考えているからこそ、口に含めるのであって、このような台詞が自然と出てくるのでしょう。

今回も、隠された真実が暴かれた非常に象徴的なイラストでありました。
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峠に棲む鬼〈上〉 (1978年) (西村寿行選集)

峠に棲む鬼〈上〉 (1978年) (西村寿行選集)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1978/03
  • メディア: -



峠に棲む鬼〈下〉 (1978年) (西村寿行選集)

峠に棲む鬼〈下〉 (1978年) (西村寿行選集)

  • 作者: 西村 寿行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1978/03
  • メディア: -



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